ストック型とショット型。一人起業で収益の波を先に把握する

会費モデルの例示から考える、収益が安定する型の見分け方

本記事は、ノルツ株式会社代表・原本 昌悟が取材で語った内容(一次情報)に基づいてまとめています。記事中の会費モデルの数字は、代表・原本が説明のために挙げた例示です。

この記事の要点

一人起業のビジネスモデルは、まず「ストック型(会費のように毎月一定額が積み上がる型)」と「ショット型(都度の取引で売上が立つ型)」に大きく分けて捉えると整理しやすくなります。どちらが良い悪いではなく、自分の売上がどちらに寄っているかを先に把握しておくことで、収益の波(安定するか、不安定になるか)を事前に見込めます。契約形態は組み合わせても構いません。

公開日 2026-10-15 執筆:原本 昌悟(ノルツ株式会社 代表取締役)

ノートに毎月の収入と都度の収入を書き分けて整理する日本人の手元

一人起業のビジネスモデルは、まずどう分けて考えればいい?

大きく「ストック型」と「ショット型」の2つに分けて捉えると整理しやすくなります。ノルツ株式会社代表・原本は取材で「ひとり起業のビジネスモデルって、すごく大きく分けた時に、ストック型とショット型があると思ってるんですね。」と話しています。まず自分の売上がどちらに寄っているかを見るところから始められます。

一人で事業を始めるとき、サービス内容は決めていても「毎月いくら入ってくるのか」の形までは決めていない、という状態はよくあります。ここを2分類で見ておくと、収益の波を先に見込めます。

分類入金の形収益の見え方
ストック型会費のように毎月一定額が積み上がる会員数・契約数が増えるほど基盤が厚くなる
ショット型案件ごと・都度の取引で売上が立つ受注のタイミングで月ごとの振れ幅が出る

代表・原本はストック型について、会費のように毎月一定額を積み上げる型として説明しています。2分類は優劣をつけるためのものではなく、自分の事業がどちらの性質を持っているかを言葉にするための枠組みです。

最初にやること

  • いま提供している(これから提供する)サービスを紙に書き出す
  • それぞれに「毎月入るもの」「都度入るもの」のラベルを付ける
  • 両方が混ざっている場合は、売上の比率がどちらに寄るかを見る

ストック型の収益は、なぜ崩れにくいと言えるのか?

毎月一定額が積み上がるため、一定数の会員・契約がそろうと収入基盤が崩れにくくなるからです。代表・原本は取材で「例えば100人集めて月100万円の収入ができるようになったら、そんな簡単には崩れなくなるっていうのが一番いい点です。」と話しています。これは説明のための例示数字です。

代表・原本が挙げたストック型の例は、月3000円、または月1万円の会費モデルです。そのうえで「会員が50人、100人となっていけば事業が回っていきます」と、人数が積み上がっていく前提で説明しています。

「例えば100人集めて月100万円の収入ができるようになったら、そんな簡単には崩れなくなるっていうのが一番いい点です。」(ノルツ株式会社代表・原本)

注意点として、月3000円・月1万円という会費、会員50人・100人、100人で月100万円という数字は、いずれも代表・原本が仕組みを説明するために挙げた仮定の数字であり、特定の実績を示すものではありません。

この例示から読み取れること

  • 到達点は「単価 × 人数」で決まるので、会費をいくらに置くかで必要な人数が変わる
  • 積み上がるまでに時間はかかるが、その代わり積み上がったものは一度の受注で大きく上下しない
  • 崩れにくさは「何人まで積み上げたか」に紐づくので、まず現在の契約数を数字で把握しておく

積み上げ型なので、立ち上げ直後は売上が小さく見えます。そこで判断をやめず、会費と目標人数を先に紙に書いておくと、いま何人目なのかという進捗で見られるようになります。

ストック型が「リソースを必要としない」とはどういう意味?

ストック型は、提供のたびに自分の時間や手を大きく使わない形のサービスになりやすい、という意味です。代表・原本は取材で「このストック型のモデルって決まってるわけじゃないんですけれど、多くの場合がリソースを必要としないサービスなモデルなんじゃないかなという風に思います。」と、断定ではなく留保付きで話しています。

一人で事業をする場合、使える時間には上限があります。毎月の売上が増えるほど自分の作業時間も比例して増える形だと、人数が積み上がった時点で手が足りなくなります。ストック型を検討するときは、会員が2倍になったときに自分の作業も2倍になるのかを先に確認しておくと、設計の抜けに気づけます。

確認したい問い

  • 会員が50人から100人になったとき、自分の作業時間はどれだけ増えるか
  • 増える作業のうち、仕組みや仕様でまとめて提供できる部分はどこか
  • 一人ひとりに個別対応が必要な部分は、どこまでを範囲とするか

ここは「毎月入る金額」と同じくらい、一人起業では収益の安定に効いてくる部分です。自分の時間を使わずに提供できる形の考え方は、一人社長はリソース勝負:自分の時間を使わずに提供できる事業の発想でも扱っています。

デスクで売上の内訳を見ながら事業の形を考える日本人の経営者

ストック型とショット型は、組み合わせてもいいのか?

組み合わせて構いません。代表・原本は取材で、契約形態はきれいに分かれるものではなく自由だと話しており、例として「システム開発+保守費用」「顧問契約+大規模開発時の追加請求」という形を挙げています。最初から一つの型に縛る必要はありません。

「別にこの3つきれいに分かれるわけじゃなくて…いろんな契約の形態って全然自由だと思うんで、そこは柔軟に対応できると思うので、いろいろ組み合わせてやってみるのがいいんじゃないかなと思っております。」(ノルツ株式会社代表・原本)

代表・原本が挙げた組み合わせの例は、次の2つです。

組み合わせの例ストック側ショット側
システム開発+保守費用毎月の保守費用開発の初期費用
顧問契約+大規模開発時の追加請求毎月の顧問料大規模開発が発生したときの追加請求

この見方に立つと、いま案件ごとの売上だけで動いている事業でも、継続して発生している作業を切り出して毎月の契約にできないかという検討ができます。逆に、毎月の会費が主軸の事業でも、その中で単発の大きな依頼を受ける余地を残しておけます。型を決めてから事業を考えるのではなく、いまの提供内容を分解して、どこを毎月にできるかを見るという順番です。

自分の事業の収益の波は、どうやって把握すればいい?

売上をストック型とショット型に仕分けて、毎月必ず入る分と月によって変わる分を分けて書き出すのが出発点です。代表・原本は、一人起業でやるときはまず自分のビジネスの収益の波(安定性)を認識しておくことが大事だと話しています。把握していれば、波があること自体は織り込んで動けます。

仕分けの手順

  1. 直近の売上(これから起業する場合は想定している売上)をサービス単位で書き出す
  2. 各サービスに「毎月入る/都度入る」のラベルを付ける
  3. 毎月入る分を合計し、月の固定的な収入として一行で見えるようにする
  4. 都度入る分は、最も多かった月と少なかった月の幅で見る(想定の場合は幅で置く)
  5. 毎月入る分が、どの経費までをまかなえているかを突き合わせる

この仕分けをすると「売上は立っているが、毎月必ず入る分はこれだけ」という状態が数字で見えます。そのうえで、毎月入る分を増やしたいのか、都度の単価を上げたいのかという方向が選べます。どちらを選んでも構いませんが、どちらを選んでいるかを自覚して動けることが、収益の波に振り回されないための土台になります。

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ストック型をこれから作るなら、どこから考え始める?

会費などの単価と、積み上げたい契約数をセットで置くところから始められます。代表・原本が例として挙げたのは、月3000円または月1万円の会費と、会員50人・100人という数字で、100人で月100万円という形も例示しています。単価を決めれば必要な人数が決まり、進捗を人数で見られるようになります。

最初に紙に書くこと

  1. 毎月いくらの会費・契約料にするか(単価)
  2. その単価で、目指す月の収入に届くのは何人か(人数)
  3. その人数になったとき、自分の作業時間がどれだけ増えるか
  4. 単発で受ける部分を残すか、残すならどこまでを追加請求にするか

代表・原本が挙げた例示では、月1万円の会費で100人が集まれば月100万円という形になります。単価を下げれば必要な人数は増え、単価を上げれば人数は少なくて済みます。どの組み合わせが自分の提供内容に合うかは、3番目の「人数が増えたときの作業量」と合わせて見ると決めやすくなります。

次にやること

  • いまの提供内容を書き出し、ストック型とショット型に仕分ける
  • 毎月入る分の合計を一行で出す
  • ストック型にできる部分を1つ選び、単価と目標人数を仮で置く

ノルツの起業支援では、こうした収益の形の整理を月額顧問として毎月一緒に考えています。自分の事業がどちらに寄っているか、どこを毎月の契約にできそうかを一緒に見たい方は、LINEかお問い合わせフォームからご相談ください。

よくある質問

ストック型とショット型は、どちらが一人起業に向いていますか?

どちらが正解と決まっているものではありません。ノルツ株式会社代表・原本は、2つに大きく分けて捉えたうえで、契約形態は自由なので組み合わせてやってみるのがいいと話しています。大事なのは、自分の事業の収益の波(安定するか、不安定になるか)を先に認識しておくことです。

記事に出てくる月100万円という数字は実績ですか?

実績ではなく、代表・原本が仕組みを説明するために挙げた例示です。月3000円・月1万円の会費、会員50人・100人、100人で月100万円という数字は、いずれも仮定の数字として語られたものです。

いま案件ごとの売上しかない場合、どうすればいいですか?

いまの提供内容を分解して、継続して発生している作業を毎月の契約に切り出せないかを見るところから始められます。代表・原本は例として「システム開発+保守費用」「顧問契約+大規模開発時の追加請求」という組み合わせを挙げています。

ストック型は立ち上がりに時間がかかりませんか?

会員数・契約数を積み上げていく型なので、立ち上がりは小さく見えます。その代わり、代表・原本は「100人集めて月100万円の収入ができるようになったら、そんな簡単には崩れなくなる」と例示しています。会費と目標人数を先に決め、進捗を人数で見ると判断しやすくなります。

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