AIを使えば、一人でも手を増やせます。一方で、AIは聞き方しだいで「完璧です」とも言ってくれるので、使い方を間違えると判断を誤ります。
このカテゴリでは、原本が自社で実際にAIを使ってきた経験から、任せる業務と自分でやる業務の線引き、新規事業の検証で「失敗する理由」を聞く方法、AIの壁打ちで補えない部分をまとめています。
AIを使えば、一人でも手を増やせます。一方で、AIは聞き方しだいで「完璧です」とも言ってくれるので、使い方を間違えると判断を誤ります。
このカテゴリでは、原本が自社で実際にAIを使ってきた経験から、任せる業務と自分でやる業務の線引き、新規事業の検証で「失敗する理由」を聞く方法、AIの壁打ちで補えない部分をまとめています。
代表・原本の方針は「なるべく全部AIに任せる」です。一人社長のボトルネックは能力ではなく時間。少し品質が下がっても、任せて手数を増やすほうが合理的な場面が多いからです。
ミッション・ビジョン・バリューの策定、戦略・戦術、マーケット分析、ブランディングなど、ホワイトワーカーの作業はほとんど任せられます。本人の経験や言葉を材料に、構造化して文章にする作業はAIの得意分野。思うような答えが返らないときは、どんな成果物が欲しいか、どの立場で答えてほしいかまで指示の粒度を上げてから判断します。
例外は二つあります。提案書の数字、契約や見積もりの条件、対外的に公開する文章、お金が動く判断は、AIに作らせた上で必ず自分の目でレビューしてから外に出す。そして、相手が気づいていないことに気づかせる対話は、今も人が担います。
進め方は、まず全部渡してみて、危ないものだけ手前に引き戻す順番です。線引きの基準は「作業か、気づきか」。AIの能力が伸びるほど、任せられる範囲は広がっていきます。
AIの壁打ち能力は非常に高く、今も上がり続けている。代表・原本はそう評価し、日々の経営判断にもAIとの壁打ちを組み込んでいます。それでも、経営者との壁打ちやヒアリング、思考整理といった対話だけは、今も自分自身で行っています。
理由は能力ではなく、仕組みの性質にあります。AIの仕事は、入力した人が望んでいるアウトプットを返すこと。裏を返せば、頼まれていないことはしません。ミッションを持たずに仕事をしている人は、そもそもAIに「ミッションを作って」と入力しない。「作りましょう」と声をかけられるのは人だけです。
経営者の壁打ちで価値があるのは、相談されたテーマの裏にある、本人がまだ言葉にしていない問いを差し出す瞬間。「値上げの伝え方を考えたい」という相談なら、文面のたたき台より「なぜ値上げをためらっているのか」のほうが効きます。
使い分けはシンプルです。答えが欲しい場面はAIに壁打ちし、指示の粒度を上げても浅ければそこを限界と見る。言葉になっていない違和感が絡む場面は、自分で対話する。AIが賢くなっても、「作業か、気づきか」という基準は残ると考えています。
代表・原本はAIと壁打ちを重ねて新規事業案を固め、「もうこの事業内容は完璧です、あとは動くだけです」とまで評価されました。案は「気づきがない人に、気づきを売るビジネス」。ところが動く直前、経営コンサルやマーケティングに詳しい知人数名に見せると、返ってきたのは全員「僕だったらやらない」でした。
その意見をAIに伝えると、返事は「それは素晴らしい指摘ですね。その通りです」。AIは入力した人が望むアウトプットを返すため、前向きな入力には前向きな評価を、反論には同意を返します。案を構造化したり、リスクを洗い出したりするのは得意でも、良し悪しを判定する審判役には向きません。
あわせて見えたのが規模の誤りでした。無自覚の人の認知を引き上げるマーケティング費用だけで、数百億、もしかしたら数千億。一人社長が回せる規模を超えていたのです。
それ以来、AIには「失敗する理由」を聞き、挙がった理由が改善や回避のできる範囲かで判断しています。AIで作り、AIで壊しにかかり、人で確かめる。この三段構えが、一人で新規事業を検討するときの結論です。
新規事業をAIと検討するなら、「うまくいきますか」ではなく「失敗するとしたら、その理由を全部挙げてください」と聞く。AIは入力した人が望むアウトプットを返すので、質問の向きを変えるだけで、同じ性質がリスクの洗い出しに働きます。欲しいのは合否判定ではなく、判断の材料です。
使い方は3ステップ。案がまとまったら、良い点より先に失敗する理由を聞く。「重要な順に3つ」のような絞り込みはせず、網羅的に出してもらう。挙がった理由を自分の事業と状況に照らし、当たり前すぎる一般論を選り分ける。
判断の目安は、失敗理由が許容範囲で、改善や回避のできる範囲に収まっているかどうかです。営業体制や価格設定のように工夫で減らせるリスクは、対策を立てて進む。需要の有無のように検証できるものは、小さく試す。自分の規模では覆せない構造的なリスクが出たら、案そのものを見直します。
この聞き方は、価格設定や新しいサービスメニュー、採用、広告出稿など、一人で「進めるか」を決める場面にも使えます。ただしAIの答えは入力した問いの範囲を超えないため、最後に自分の望みから独立した人へ見せる工程は残しておきます。
代表・原本は、自分の業務をAIで自動化し、その仕組みごとサービスとして売る新規事業を一つ立ち上げました。Claudeのスケジュール機能で業務が回るように設定し、それを提供する形です。
お客様にお願いして何件かテストをすると、品質や反応より先に上限が見えてきました。1件を回すときのトークン消費が想定より大きく、企業数を増やすと5時間ごとの利用量制限にかかる。同時に対応できる件数には現実的な線がある、ということです。成り立たないという話ではなく、どこまでなら回るかが分かったという話で、現在は制限にかからないやり方へ改善を進めています。
自動化型は自分の作業時間に比例しにくい一方、上限の置き場所が自分の時間からツール側へ移ります。1件あたりに消費するもの、同時に処理できる件数、件数が増えたとき最初に頭打ちになる箇所、そこで提供の仕方を変えて吸収できるか。この4点を、広げる前にテストで数字にしておくと判断しやすくなります。
利用量制限の仕様は変わりうるため、2026年9月時点の前提として、最新の公式情報で確認しながら進めてください。