この記事の要点
「会社員か独立か」に見えている悩みは、先入観で二択に縮んでいることがあります。実際には副業で小さく始める、投資に回す、会社員のまま給料を伸ばす、雇われ社長を目指す、そして会社員・投資家・独立を並行する、といった道があります。まず選択肢を書き出して広げ、人生の目標といつまでに独立したいかを決め、それまでに会社員として何をするかを逆算すると判断しやすくなります。
公開日 2026-10-12 執筆:原本 昌悟(ノルツ株式会社 代表取締役)
「会社員か独立か」で迷っているとき、最初に見直すことは?
最初に見直すのは、迷っている中身ではなく「二択になっていること」そのものです。会社員と独立のどちらかしかないように見えているのは、先入観でそう見えているだけという場合があります。選択肢の数を増やすところから始めると、比較の軸も変わります。
ノルツ株式会社代表・原本は、この二択について取材で次のように語っています。
「会社員と独立どっちっていう、この2択のように見えているものを、先入観を取っ払ったほうがいいと正直思っています。」
二択のまま考えると、どちらの選択肢にもメリットとデメリットが同じ数だけ並び、結論が出ないまま時間が過ぎやすくなります。「どっちが得か」ではなく「自分が取れる道は何通りあるか」に問いを変えると、手が動き始めます。
最初にやる1ステップ
- 紙かメモアプリに「いま取れる道」を思いつくだけ書き出す(2つで止めない)
- それぞれについて「今月できる小さな一歩」を1行だけ書く
- 一歩が軽いものから試し、比較の材料を増やす
書き出した道が3つ以上になった時点で、悩みは「選べない」から「順番をどうするか」に変わります。そこまで持っていくのが、最初の作業です。
会社員と独立のほかに、どんな選択肢があるのか?
取材で挙がった選択肢は、副業、投資、会社員のまま給料を伸ばす、雇われ社長を目指す、そして会社員・投資家・独立を並行する、という形です。どれも「独立するかしないか」の間にある道で、同時に持つこともできます。
ノルツ株式会社代表・原本が語った選択肢を整理すると、次のようになります。
| 選択肢 | どういう道か | 考えることになる点 |
|---|---|---|
| 会社員を続ける | 安定した収入を得ながら働く | この先の伸び方をどう見るか |
| 会社員のまま給料を伸ばす | 今の会社の中で評価と報酬を上げる | 何を伸ばせば評価につながるか |
| 副業 | 会社員のまま小さく事業を持つ | どの分野で、どこまでやるか |
| 投資家になる | お金を働かせる側に回る | どれだけの元手を回せるか |
| 雇われ社長を目指す | 経営を担う立場に就く | どんな実績が必要か |
| 独立する | 自分の事業で立つ | 分野・準備・タイミング |
| 並行する | 会社員・投資家・独立を同時に持つ | 時間と役割の配分 |
重要なのは、この表のどれかを「正解」として選ぶことではありません。二択だと思っていた悩みが、実際には7通りの組み合わせの話だったと分かるだけで、決め方が変わります。
会社員を続けることは、どう評価すればいいのか?
会社員を続ける道は、劣った選択肢ではありません。安定して収入が得られているということは、安定した給料を払い続けられる事業がそこにあるという意味でもあります。まずその価値を正しく数えてから、ほかの選択肢と並べるのが順番です。
ノルツ株式会社代表・原本は、会社員という立場についてこう語っています。
「会社員は安定している、安定して収入得られてるって本当素晴らしいことで、安定した給料を払い続けることができるだけの素晴らしい事業を作り上げたっていうことでもあるんですよね。」
この見方を取ると、今いる会社は「辞めるか残るか」の対象から、「よくできている事業の実例」に変わります。毎月の給料が成立している仕組みの中に、自分が独立したときに必要になる要素が入っている、という読み方ができます。
会社員を続ける前提で考えるなら、次の2つを並べて書くと現状が見えます。
- 今の立場で得られているもの(収入の安定、任される範囲、学べる機会)
- この先3年で伸ばせそうなもの(役割、報酬、扱える金額や人数)
この2つを書いたうえで、ほかの選択肢と比べる。順番を逆にすると、勢いだけで決めることになりやすくなります。
独立の生存率が低いという話は、判断にどう使えばいいのか?
数字は、独立をやめる理由にも、勢いをつける理由にも使わないのが使い方です。厳しい前提として受け止め、準備と期限の設計に反映させる材料にします。ノルツ株式会社代表・原本は、独立を勧めることは基本的にしないという姿勢を取っています。
取材で語られた言葉を、そのまま載せます。
「独立して10年間生存できる確率って言うと、まあいろんなね、分析あるんですけれども一番低いもので見ると、確か6%ってなってたんですよね。」
「独立するのはオススメですよっていうことは私は基本的には言わないようにしていまして」
この6%という数字は、代表・原本が取材で語った内容であり、出典や分析の詳細はその場では示されていません。企業の生存率は調査の定義(起業の定義、業種、期間の取り方)によって大きく変わるため、実際に判断材料として使う場合は、中小企業庁の中小企業白書など公的統計の最新版で確認してください(執筆時点:2026年9月時点)。
数字を設計に反映させる3つの問い
- 自分の事業は、何があれば10年続く形になるのか
- 続かなかった場合に、戻れる・切り替えられる道を残しているか
- その備えを、会社員のうちにどこまで作れるか
厳しい数字を見たうえで準備の中身を決める。これが、数字の使い方として現実的です。
ノルツ株式会社代表・原本はなぜ独立を決めたのか?
独立を決めた理由は、会社員でいることの将来性を考えたうえで「このままだと先がない」と判断したからです。独立したい気持ちが先にあったのではなく、会社員という道の先を見てから出した結論でした。
ノルツ株式会社代表・原本は、会社員でいることの将来性を考え、このままでは先がないと判断して独立を決めた、と取材で語っています。二択で勢いよく飛び出したのではなく、片方の道の先を具体的に考えた結果として、もう一方を選んだ形です。
この順番は、そのまま判断の手順として使えます。
- 今の道を続けた場合、自分が何年後にどうなっているかを具体的に書く
- その状態が、自分の目標に届いているかを見る
- 届かないなら、何を変えれば届くのかを選択肢の一覧から探す
「独立したいか」より先に「今の道の先はどこか」を見る。見た結果として今の会社の中に道があるなら、それも立派な結論です。脱サラで独立を迷うときの4つの軸と、決断の前に考えることでは、この判断を軸に分けて整理する方法をまとめています。
独立を選ぶなら、会社員のうちに何をしておくのか?
やることは、分野を決めて準備を進める、独立するタイミングを決める、会社員のうちに必要なスキルへ挑戦する、の3つが軸になります。ノルツ株式会社代表・原本は、人生の目標から逆算して期限を決めることを挙げています。
取材で語られた、独立を決めたあとに取る行動は次の通りです。
- 独立する分野を決め、準備を着実に行う
- 今働いている会社が、なぜうまくいっているのかを分析する
- 上司や人事、社長などに、会社の理念や成功要因について積極的に質問する
- いつまでに独立するか、タイミングを決める
- 会社員のうちに、独立に必要なスキル(例:営業など)にチャレンジする
期限の決め方について、代表・原本はこう語っています。
「自分の人生の目標をちゃんと定めてそれに対して独立が必要ならいつまでに独立をしたいのかっていうことをちゃんと決めて、それまでに会社員として何をなすべきかっていうことを考えていく。」
社内で新しい役割に手を挙げることへの考え方としては、次の言葉も語られています。
「独立するのもね、視野に入っているんだったらクビ切られてもいいじゃないですか。」
独立を視野に入れているなら、社内での挑戦のハードルは下がります。営業のように独立後に必ず使う仕事は、給料をもらいながら試せるうちに試しておくほうが身につきます。会社員のうちにできる準備は、脱サラ準備は会社員のうちに。独立前のテスト販売でやっておくことや起業・独立前のスキル棚卸しでも具体的に扱っています。
今の会社を「分析対象」として見るとは、具体的にどうするのか?
今の会社を、辞めるか残るかの対象ではなく「なぜうまくいっているのかを学ぶ教材」として見ることです。理念や成功要因は、上司・人事・社長に直接聞くのが早い方法として挙げられています。
ノルツ株式会社代表・原本が挙げている行動は、今働いている会社がなぜうまくいっているのかを分析し、会社の理念や成功要因について上司や人事、社長に積極的に質問することです。在籍しているあいだは、事業が成立している理由を内側から見られる立場にあります。
聞くこと・見ることの例
- 会社の理念は何で、どういう経緯でそうなったのか
- お客様は、他社ではなくなぜこの会社を選んでいるのか
- どの商品・どの部門が利益を支えているのか
- 人が採れている理由、辞めない理由は何か
- 値段はどう決まっているのか
この視点は、独立したあとにもそのまま使えます。「なぜ自社が選ばれているのか」を考える習慣になるからです。創業期にお客様から選ばれる理由を言葉にできるかどうかは、そのまま営業資料や価格の根拠につながっていきます。
質問する相手が社内にいるうちに聞く。これは会社員という立場にいる人だけが持っている材料です。
会社員・投資家・独立を並行するという選択肢は、どう考えればいいのか?
どれか一つを選ぶのではなく、全部を並行して持つのも方法の一つです。ノルツ株式会社代表・原本は、会社員と投資家と独立を全部並行するやり方もいい方法だと語っています。二択を手放すと、こうした組み合わせが見えてきます。
取材で語られた言葉は次の通りです。
「場合によっては会社員と投資家とね、独立っていうのを全部並行するっていうのもね、いい方法だと思います。」
並行を前提に考えると、問いが「辞めるべきか」から「どの配分で持つか」に変わります。配分の話になれば、今月から動かせることが出てきます。
並行を考えるときの整理のしかた
- いまの収入の柱を書く(会社員の給料など)
- 増やしたい柱を1つ選ぶ(副業として始める事業、投資など)
- その柱に使える時間を週単位で決める(例:週に何時間か)
- 3か月後に何が分かっていればいいかを決める(売れるか、続けられるか)
並行は「決めないこと」とは違います。どの柱をどこまで伸ばすか決めて、期限を置く。そのうえで独立の時期を見直していけば、二択で止まっていた状態から抜けられます。
選択肢を広げたあと、最終的にどう決めればいいのか?
決め方の順番は、人生の目標を定める、独立が必要かを見る、必要ならいつまでにするかを決める、それまでに会社員として何をするかを決める、の4段階です。目標が先、独立はその手段という並べ方にすると判断がぶれにくくなります。
ノルツ株式会社代表・原本が語っているのは、人生の目標を定め、それに対して独立が必要ならいつまでに独立したいかを決め、それまでに会社員として何をなすべきかを考えていく、という順序です。独立そのものがゴールではなく、目標に対する手段として置かれています。
決めるときの4ステップ
- 自分の人生の目標を言葉にする
- その目標に独立が必要かどうかを見る
- 必要なら「いつまでに独立するか」を決める
- その日までに会社員として何をするかを決め、今月の一歩に落とす
ここまで書けると、迷いは「会社員か独立か」ではなく「期限までに何を終わらせるか」の話になります。もし一人で書き出してみて、目標と選択肢がうまく結びつかないときは、誰かと一緒に並べ直すのが早い場合もあります。
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よくある質問
会社員と独立のどちらが得かを比べても結論が出ません。どうすればいいですか?
比べる対象が2つしかない状態だと、メリットとデメリットが釣り合って結論が出にくくなります。副業、投資、会社員のまま給料を伸ばす、雇われ社長を目指す、会社員と投資家と独立を並行する、といった道も書き出して、3つ以上の選択肢で並べ直してみてください。ノルツ株式会社代表・原本は、二択に見えているものの先入観を取り払ったほうがいいと語っています。
独立の生存率が低いと聞きました。やめたほうがいいという意味ですか?
数字は、やめる理由にも勧める理由にも使わないのが使い方です。ノルツ株式会社代表・原本は取材で、独立して10年間生存できる確率を一番低い分析で見ると6%だったと語り、同時に独立を勧めるとは基本的に言わないようにしていると話しています。厳しい前提として受け止め、準備の中身と期限の設計に反映させる材料にしてください。企業の生存率は調査の定義で大きく変わるため、中小企業白書など公的統計の最新版での確認をおすすめします(2026年9月時点)。
会社員を続ける道は、独立より劣る選択肢なのでしょうか?
劣る選択肢ではありません。ノルツ株式会社代表・原本は、安定して収入を得られていることは素晴らしいことで、安定した給料を払い続けられるだけの事業を作り上げたということでもある、と語っています。今の会社をそういう事業の実例として見ると、残る場合も独立する場合も学べるものが増えます。
会社員のうちにできる独立の準備には、どんなものがありますか?
ノルツ株式会社代表・原本が挙げているのは、独立する分野を決めて準備を進めること、今の会社がなぜうまくいっているのかを分析すること、会社の理念や成功要因を上司・人事・社長に質問すること、いつまでに独立するかを決めること、営業など独立に必要なスキルにチャレンジすることです。
参考・出典
- 中小企業庁(中小企業白書・統計情報)(2026年9月時点)
- ノルツ株式会社代表・原本昌悟 取材(一次情報)(2026年9月時点)
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