起業初期に仲間を集める方法

交流会で「志」を語り続けたら、客ではなく仲間ができた

この記事は、ノルツ株式会社代表・原本が、一人で起業してから「仲間」ができるまでの実体験をもとに書いています。独立して数年、クライアントはいても仲間はいなかった時期。そこから志を掲げ、交流会で語り続けたことで人との関係がどう変わったのか。起業初期の孤独を抜け、仲間を集めたい方に向けてお伝えします。

この記事の要点

起業初期に仲間を集める方法は、人脈術ではなく「志を語り続けること」です。具体的には、①「自分は本当は何がやりたいのか」を問い直して志を言葉にする、②交流会など志を語れる場を自分で主催する、③来てくれた人に志を繰り返し語る、の三つ。取引ではなく共感でつながった相手が、クライアントではない「仲間」になります。

一人で起業すると、多くの人が同じ壁にぶつかります。仕事はある。クライアントもいる。でも、なぜか「仲間」がいない。孤独だ――。この記事では、私(ノルツ株式会社代表・原本)自身が、独立から数年かけてその孤独を抜け出し、取引先ではない「仲間」を集めていった実体験をお話しします。特別な人脈術ではありません。やったことは、たった一つ「志を語り続けた」ことでした。

最初に、私の出発点を正直に書いておきます。私は独立したとき、いわゆる「ウェブ制作者=ただの技術者」という立ち位置でした。業務委託でWeb制作を請け負い、納品する。それだけ。志も、大きな目的もない状態でのスタートでした。独立して半年ほどでコロナ禍に入り、仕事のやり方が変わっていく中でも、私は「独立から4年経っても、自分は何も変わっていない」と、あるときはっと気づいたのです。仕事は回っている。けれど、心のどこかがずっと満たされないままでした。

交流会で名刺を手に歓談する日本人ビジネスパーソンたち

なぜ、クライアントはいても「仲間」はできないのか?

その満たされなさの正体を、私はあるとき言葉にできました。志がなく、業務委託のWeb制作だけをしていた時期の私には、たしかにクライアントはいました。お金を払ってくれるお客さんはいた。けれど、そこに「仲間」はいなかったのです。関係はすべて「取引」でした。仕事が終われば関係も終わる。次の案件がなければ、つながりも消えていく。そういう乾いた関係の中で、私はずっと一人だったのだと思います。

「クライアントはいました。ただ、仲間はいなかったんですよ。志を持った時に、クライアントじゃないけど仲間ができた」

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい核心です。仲間ができるかどうかは、人脈の数や交流会の参加回数ではありませんでした。決定的に効いたのは「志を持ち、それを語ったかどうか」だったのです。取引でつながる相手を100人集めても、仲間は一人も増えません。けれど、共感でつながれる相手は、たった一つの志から生まれていきました。

仲間集めのために、最初に何をすればいいのか?

では、私が具体的に何をしたか。順番にお話しします。最初にやったのは、交流会に行くことでも名刺を配ることでもありません。「自分は本当は何がやりたいのか」を、自分に問い直すことでした。独立4年目の「自分は何も変わっていない」という気づきをきっかけに、私は立ち止まって考えました。そして出てきた答えが「挑戦する人を“サポート”したい」というものでした。自分が前に出て主役になりたいわけではない。あくまで、挑戦する人の支援側に立ちたい。そう気づいたのです。

この問い直しから、私は創業支援・起業支援として「挑戦する起業家をサポートする」というミッションを定めました。今の言葉にすれば「志す人に、道を通す」。これが、その後のすべての行動の軸になりました。仲間集めのノウハウの前に、まずこの「自分の志を見つける」段階があったことを、強調しておきたいと思います。ここが空白のままだと、どれだけ交流会に通っても、語る言葉がないからです。

交流会は、なぜ「参加」ではなく「主催」がいいのか?

志が定まってから、私が起こした具体的な行動が「起業家向けの交流会を主催する」ことでした。参加するだけでなく、自分で場をつくった。ここは意識してほしいポイントです。人の交流会に一参加者として混ざると、どうしても「その他大勢の一人」になります。でも、自分が主催すれば、その場は自分の志を軸にした場になります。集まってくる人も、その志に少しでも興味を持った人になる。仲間になりやすい人が、自然と集まってくる構造をつくれるのです。

とはいえ、いきなり大きな会を開く必要はありません。私も最初は小さな集まりからでした。大事なのは規模ではなく、「自分の志を語れる場を、自分の側に持つ」ことです。参加する側では受け身になりがちですが、主催する側に回ると、来てくれた一人ひとりと志の話ができます。名刺交換で終わる関係と、志を共有した関係とでは、その後の続き方がまったく違いました。

手を取り合う二人の手元、起業の仲間との連帯を表すイメージ

来る人に、ミッションを「語り続けた」

そして、主催した場で私がやったことは、とてもシンプルです。来てくれる人に、自分のミッションを語り続けました。一度話して終わりではなく、何度も、繰り返し。「自分は挑戦する起業家を支援したいんだ」と、会うたびに伝え続けたのです。最初は照れくさいし、こんなことを言って何になるのか、という気持ちもありました。それでも語り続けました。

すると、変化が起きました。志を語り始めてから、私の周りに「クライアントではない仲間」ができ始めたのです。お金のやり取りがあるわけではない。それでも、同じ方向を見て応援し合える相手。私の志に共感してくれた人。そういう仲間が、一人、また一人と増えていきました。取引先を増やそうと必死だった頃には決して起きなかったことが、志を語るだけで起きたのです。

「志を持つというのは、起業した後に、本当は一番最初にやった方がいい」

この経験から私が強く思うのは、「志(ミッション)は、起業した“後”ではなく、本当は一番最初に持った方がいい」ということです。私は独立から約4年、志のないまま走っていました。その間、仲間はできませんでした。もし最初から志を掲げていれば、もっと早く仲間に出会えたはずです。今まさに一人で起業して孤独を感じている方には、遠回りせずに、まず自分の志を言葉にすることをおすすめします。

志を持つと、人間関係はどう変わるのか?

志を持つと、人との関係の質そのものが変わります。志がなかった頃、私にとって人間関係は「取引」でした。何をしてくれるか、いくら払ってくれるか。そういう物差しで人を見ていた面があったと思います。けれど志を持ってからは、関係が「共感でつながる仲間」に変わっていきました。同じ志に共鳴する人とは、損得を超えて応援し合える。この違いは、実際に体験すると本当に大きいものでした。

ここで一つ、誤解のないように補足します。仲間を集めることは、売り込みとは正反対の行為です。交流会で「自分のサービスを買ってください」と無差別に営業しても、仲間はできません。むしろ人は離れていきます。私がやったのは、売り込みではなく、志を語ることでした。何を売るかではなく、何を目指しているか。それを正直に語ると、共感する人が自分から寄ってきてくれる。仲間集めと売り込みは、まったく別のものだと考えてください。

起業初期に仲間を集めるには、具体的に何をすればいいのか?

最後に、私の体験を、これから仲間を集めたい方が再現しやすいように整理しておきます。第一に、自分の志を言葉にすること。「自分は本当は何がやりたいのか」を問い直し、支援したい相手や実現したい未来を、一言で語れるようにします。第二に、その志を語れる場を自分の側に持つこと。小さくてよいので、交流会や勉強会を主催し、志を軸にした場をつくります。第三に、来てくれた人に志を語り続けること。一度で終わらせず、繰り返し伝える。この三つを続けるだけで、取引ではない仲間が少しずつ増えていきます。

私自身、志を語る前と後とで、起業の景色がまったく変わりました。孤独だった一人起業が、仲間と一緒に進む起業に変わったのです。もし今、クライアントはいるのに仲間がいないと感じているなら、それはあなたの努力が足りないからではありません。まだ、志を語れていないだけかもしれません。まずは自分の志を言葉にすることから、始めてみてください。そして、その言葉を誰かに語ってみてください。そこから、あなたの仲間集めは動き出します。

あなたの「志」を一緒に言葉にします

仲間を集める第一歩は、自分の志を語れる言葉にすることです。ノルツの起業支援では、過去の経験を一緒に棚卸しし、あなたのミッションを言語化するところから伴走します。一人で抱え込む前に、まずは気軽にご相談ください。

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