この記事の要点
交流会でつながるべき人は、①人をつなぎ・準備を手伝い・困っている人を助ける「ギバー」と、②「なぜその事業をやるのか」を自分の言葉で語れる「志・ビジョンを持つ人」の二種類です。無差別な売り込みはほぼ失敗するため、協業相手探し・人脈づくり・テストマーケティングなどの目的を持って参加し、名刺の数より「誰と深くつながるか」を大切にすることで、交流会の価値は大きく変わります。
起業したばかりの頃、私(ノルツ株式会社代表・原本)は、とにかく交流会にひたすら参加していました。高いところは正直きつかったので、なるべく安い交流会を選んで、片っ端から顔を出していたのです。名刺を配って、自分のサービスを説明して、また次の人へ。数だけを見れば、たくさんの人と会っていました。それでも、なかなか仕事にはつながらない。この記事では、その時期に私が身をもって気づいた「交流会は、誰とつながるかで価値が決まる」という学びを、正直にお話しします。
結論から言えば、交流会そのものが悪いわけではありません。うまくいかない原因は、たいてい「使い方」の側にあります。目的を持たず、ただ売りたい一心で、しかも無差別に声をかける。これでは、どれだけ足を運んでも空回りします。逆に、つながるべき相手を見極めて関係を作れば、交流会は起業初期の心強い味方になります。その「つながるべき相手」とは、ギバーと、志・ビジョンを持つ人です。
なぜ「みんな売り込む場」で自分も売り込むと、つながらないのか?
まず、私がつまずいた地点をお話しします。交流会に何度も行くと分かるのですが、参加者はみんな売り込んでくるのです。自分のサービス、自分の会社、自分の強み。誰もが「買ってほしい」という気持ちで来ています。その場で自分も同じように売り込みに徹すると、どうなるか。お互いが売り手のまま、話がかみ合わず、結局のところ何もつながらないのです。
「みんな売り込んでくるところで自分も売り込むということをすると、結局のところつながらない」
私自身、この「売り込み合戦」を長くやってしまいました。名刺の枚数は増えても、あとに残る関係はほとんどない。だんだん、交流会に行くこと自体が疲れる作業になっていきました。ここで大事なのは、交流会がダメなのではなく、無差別な売り込みという使い方が失敗を招いている、という切り分けです。使い方を変えれば、結果は変わります。
交流会には、どんな目的を持って参加すればいいのか?
使い方を変える第一歩は、必ず「目的を持って」参加することです。ただ売りたいという理由だけで交流会に行くのは、正直あまりおすすめしません。目的があると、その場で誰を探し、どんな会話をすればいいかが定まるからです。目的は、大それたものでなくて構いません。私が意識していたのは、たとえば次のようなものでした。
ひとつは、協業できるような人を見つけること。自分だけではできない仕事も、組める相手がいれば形になります。もうひとつは、単純に人脈を広げること。今すぐの取引にならなくても、後々つながる縁はあります。そしてもうひとつが、テストマーケティングの視点です。自分の話をしたときに、相手にどんな反応があるのか、どんなアクションが返ってくるのか。その手応えを見にいく、という目的の持ち方です。こうした目的が一本通っているだけで、交流会での立ち居振る舞いはまるで変わってきます。
つながるべき相手①:ギバーとは、どんな人でどう見つける?
目的が定まったら、次は「誰とつながるか」です。私が交流会で参加者を観察していて気づいたのは、その場には明らかに違うタイプの人がいる、ということでした。まず注目すべきは、ギバーと呼ばれる人たちです。ギバーとは、与える人。具体的には、人と人をつないでくれる人、受付の準備や後片付けをさりげなく手伝っている人、困っている人がいたら助けてあげる人。そういう振る舞いが自然と出ている人です。
「人と人をつないでくれる人とか、準備とか片付けを手伝っている人とか、困っている人いたら助けてあげたり…そういうようなギバーと呼ばれるような人」
ギバーは、交流会の会場を少し見渡せば見つかります。売り込みの列に並んでいる人ではなく、その場を良くしようと動いている人です。こうした人とつながっておくと、めぐりめぐって自分にも良い縁が返ってきます。逆に、自分がギバー側に回るのも有効です。誰かを紹介する、準備を手伝う、困っている人に声をかける。与える側に立つと、同じように与える人が自然と集まってきます。どう捕まえるかを考えるだけでなく、自分も与える人になる。これが遠回りに見えて、いちばん確実な関係の作り方でした。
つながるべき相手②:志・ビジョンを持つ人は、どう見極める?
もう一種類、つながるべき相手がいます。それは、志やビジョンを持っている人です。交流会には、「とにかく稼ぎたい」「とにかく売りたい」という人がたくさんいます。それ自体が悪いわけではありませんが、そういう相手との会話は、どうしても目先の取引で終わりがちです。一方で、「なぜその事業をやっているのか」を自分の言葉でちゃんと答えられる人がいます。私は、そういう人にこそ注目していました。
見極め方はシンプルです。相手に「どうしてその事業をやっているんですか」と聞いてみる。志のある人は、その問いに自分の言葉で答えられます。単に儲かるから、ではなく、こういう課題を解決したい、こういう世界を作りたい、という中身が返ってくる。そういう人と一緒に仕事をすると、これが本当に面白いのです。目線が合い、目先の損得を超えて協力できる。私自身、志で意気投合した相手との縁が、その後の仕事につながった経験が何度もあります。だからこそ、志・ビジョンを語れる人とのつながりは、意識して大切にしてきました。
交流会は数をこなせば成果が出るのか?——「数」より「誰と深くつながるか」
ここまで読んで、「結局、たくさん参加すればいいのでは」と思う方もいるかもしれません。私も最初はそう考えて、とにかく数をこなしました。けれど振り返ると、数を追っていた時期に残ったものは、ほとんどありませんでした。理由はシンプルで、一人ひとりと交わした会話が浅かったからです。名刺は増えても、記憶に残る相手はいない。翌週にはお互い顔も忘れている。これでは、どれだけ通っても関係は積み上がりません。
逆に、ギバーや志のある人を見つけて、その一人と少し長く話す。相手がなぜその事業をやっているのかを聞き、自分の考えも正直に話す。そうやって深く交わした会話は、後々まで残ります。数ある名刺の中から思い出してもらえるのは、たいてい「深く話した相手」です。だからこそ私は、いまでは一つの交流会で何十人と名刺交換することより、つながるべき二〜三人と腰を据えて話すことのほうを大切にしています。限られた時間で成果を出したい起業初期こそ、この「数より深さ」の発想が効いてきます。
まとめ:交流会は「目的」と「相手」で価値が変わる
最後に、この記事でお伝えしたいことを整理します。交流会そのものに、良いも悪いもありません。ただ売り込みに、しかも無差別に行くという使い方をすると、ほぼ失敗します。だからこそ、必ず目的を持って参加すること。そして、つながる相手を選ぶことです。つながるべきは、人をつなぎ・手伝い・助けるギバーと、「なぜやるのか」を語れる志・ビジョンを持つ人。この二種類の人との関係を、意識して育ててみてください。
「交流会は目的を持って、どういう人とつながるか考えて有効に活用していく」
私自身、安い交流会に無目的に通っていた時期は、ほとんど何も残りませんでした。けれど、目的を持ち、ギバーと志のある人を探すようになってから、交流会は少しずつ意味のある場に変わっていきました。数をこなすことより、誰と深くつながるか。起業初期の限られた時間とお金を無駄にしないためにも、次に交流会へ行くときは、「今日は誰とつながりに行くのか」を一つだけ決めて足を運んでみてください。それだけで、得られるものは大きく変わるはずです。
「誰とつながるべきか」を一緒に整理します
交流会に出ても成果が出ない、どんな相手と関係を作ればいいか分からない。そんなときは、一人で抱え込まずにご相談ください。ノルツの起業支援では、あなたの現在地と目的を一緒に整理し、次につながるべき相手や場を具体的に提案します。まずはお気軽にどうぞ。
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