ギバーとテイカーの見分け方と付き合い方

与える人とつながるための「アンテナ」の育て方

この記事は、ノルツ株式会社代表・原本が、ギバー(与える人)とテイカー(奪う人)を強く意識していた時期の体験をもとに書いています。テイカーをどう見分けるか、ギバーとどうつながるか、そして役職や年商ではなく「人としての位」で相手を選ぶとはどういうことか。ギバー・テイカーを意識した人付き合いを学びたい方へお伝えします。

この記事の要点

ギバー(与える人)と付き合うために本当に必要なのは、相手を厳しく選別することでもテイカー(奪う人)を切り捨てることでもなく、「どんな人と付き合いたいか」という自分のアンテナ=意識を変えることです。テイカーは日常の小さなふるまいに表れ、見分けるとは裁くことではなく関わり方を調整すること。役職や年商ではなく、人としての「位」で相手を見ることが第一歩です。

起業して人と会う機会が増えてくると、だんだんと気づくことがあります。世の中には、周りに惜しみなく「与える人」と、自分の利益ばかりを「奪おうとする人」がいる。前者をギバー、後者をテイカーと呼びます。誰と時間を過ごすかで、その後の事業も、人生も、静かに変わっていく——。私(ノルツ株式会社代表・原本)も、この「ギバーとテイカー」という考え方を強く意識していた時期がありました。この記事では、その体験をもとに、テイカーを見分けるサイン、ギバーとつながるための「アンテナ」の育て方、そして相手をどんな基準で選ぶべきかを、具体的にお伝えします。

先に結論をお伝えすると、ギバーと付き合うために本当に必要なのは、相手を厳しく選別することでも、テイカーを切り捨てることでもありませんでした。自分の「アンテナ」を、つまり「どんな人に目を向けるか」という意識を変えること。それだけで、付き合う人の層は驚くほど変わっていきます。まずは、ギバーとテイカーとは何かというところから整理していきましょう。

ギバーとテイカーとは何か?与える人と奪う人の違い

ギバー(Giver)とは、見返りを先に求めず、まず相手に与えようとする人のことです。人と人をつなぎ、知っていることを惜しみなく共有し、相手の成功を素直に喜べる。そういう姿勢を持った人たちです。一方のテイカー(Taker)は、その逆。自分が得することを最優先に動き、受け取ることには熱心でも、与えることには消極的な人を指します。

もちろん、人は白か黒かで割り切れるものではありません。同じ人でも、場面によってギバー的にふるまうこともあれば、テイカー的になることもあります。大切なのは「あの人はテイカーだ」とレッテルを貼ることではなく、自分がどんな姿勢の人と多くの時間を過ごしたいのかを、意識しておくことです。起業初期は特に、出会う人の影響を受けやすい時期。だからこそ、この視点を持っておく価値があります。

笑顔で握手を交わす二人の日本人ビジネスパーソン

なぜ起業初期こそ「ギバー」とつながるべきなのか?

私がギバーとの付き合いを意識するようになった背景には、ひとつの通説がありました。「自分の収入は、周りの人の平均とおよそ同じになる」というものです。数値の出典まで語れるわけではありませんが、体感として、これは的を射ていると感じています。だとすれば、収入だけでなく、幸福度もおそらく同じように、周りの人の平均に近づいていくのではないか。そう考えたのです。

「自分の自らの収入というのは、周りの人の平均の収入とおよそ同じになる」

起業初期は、実績も人脈もまだ薄く、自分がどこへ進むべきかが定まりきっていない時期です。そういうときに、与えることを厭わないギバーがそばにいてくれると、情報も、機会も、そして安心感も、自然と巡ってきます。逆に、テイカーばかりに囲まれてしまうと、こちらのエネルギーや時間が一方的に吸い取られ、肝心の事業に回すものが残らなくなる。だからこそ、まだ足場が固まっていない起業初期こそ、誰と過ごすかを意識する価値が大きいのです。

テイカーはどう見分けるのか?日常に表れるサイン

では、どうすればテイカーに気づけるのでしょうか。派手に「奪ってやろう」という顔をしている人は、まずいません。多くは、日常の小さなふるまいの中に表れます。たとえば、会話がいつも自分の話ばかりで、こちらの話を聞く姿勢が薄い人。何かを頼むのは得意でも、相手のために動くことにはめっぽう腰が重い人。誰かを紹介してもらっても、感謝や報告が返ってこない人。ひとつひとつは些細ですが、積み重なると「この人は受け取ることに関心が偏っているな」と見えてきます。

ただし、ここで焦って人を切り捨てる必要はありません。私自身も、「素晴らしくない人とは付き合わない」と線を引いたわけではありませんでした。大事なのは、こうしたサインに気づける自分でいること。気づいていれば、深く関わる相手とほどよい距離を保つ相手を、無理なく選び分けられるようになります。見分けるとは、裁くことではなく、自分の関わり方を調整することなのです。

「位の高い人」と付き合うとは、どういうことか?役職の話ではない

ギバーを意識していた頃、私が具体的に考えたのは、「自分より位の高い人と付き合いたい」ということでした。ただ、ここで言う「位の高い人」とは、役職の高さや年商の大きさのことではありません。人として素晴らしいと、心から思える人。考え方がしっかりしていて頭が良く、自分のやるべきことに真剣に努め、その結果としてきちんと成果も出している。そういう、人として尊敬できる相手のことです。

肩書きや売上でフィルターをかけると、どうしても「この人は自分に得をもたらすか」というテイカー的な物差しに寄ってしまいます。そうではなく、「この人は、人としてどうありたいと思っているか」で見る。すると不思議と、ギバー的な姿勢を持った人に自然と目が向くようになります。相手を選ぶ基準を、損得から人柄へと置き換える。これが、ギバーとつながるための最初の一歩でした。

体験:行動を変えず「意識」だけでアンテナが変わった

ここからは、私自身に実際に起きたことをお話しします。私は「どんな人と付き合いたいか」という意識を変えてみました。といっても、何か特別な行動を起こしたわけではありません。新しい会に無理に通ったわけでも、今の縁を切ったわけでもない。ただ、自分の意識をチェンジしてみただけなんです。

「ただ自分の意識をチェンジしてみただけなんです。具体的に行動は変えていません」

すると、不思議なことが起きました。行動を何も変えていないのに、無自覚のうちに、自分の「アンテナ」が変わっていったのです。同じ場所に行き、同じように人と会っていても、以前なら素通りしていたような人に、自然と目が向くようになる。会話の中で、相手の誠実さや考え方の深さに気づけるようになる。「この人、素敵だな」と感じる感度そのものが、いつの間にか変わっていました。アンテナが変われば、キャッチする相手も変わります。結果として、付き合う人の層が少しずつ変わり、いろいろな良い人たちと自然に付き合えるようになっていったのです。

「付き合う人は意識で変わるんだなということを体験しました」

窓辺で街を眺めながら静かに考える日本人ビジネスパーソンの後ろ姿

なぜ「意識」を変えるだけで付き合う人が変わるのか?

後から振り返ると、これは理にかなっていると思います。人は、自分が意識を向けているものしか、実は見えていません。「ギバーとつながりたい」「人として素晴らしい人と過ごしたい」と本気で意識すれば、脳は自然とその条件に合う人を探し始めます。逆に、何も意識していなければ、目の前に素晴らしい人がいても気づかずに通り過ぎてしまう。つまり、環境を無理に変えなくても、「何を見るか」というアンテナを変えるだけで、出会いの質は変わっていくのです。

テイカーを見分ける力も、この延長線上にあります。「与える人に目を向けよう」と意識していると、その裏返しとして、受け取ることばかりに偏った人のサインにも自然と気づけるようになる。ギバーへのアンテナと、テイカーへのアンテナは、同じひとつの感度の表と裏なのです。だからこそ、まずは「どんな人とつながりたいか」をはっきりさせることが、遠回りのようでいて、いちばん確実な近道になります。

ギバーとつながるために、今日から何ができるか?

では、明日から何ができるでしょうか。おすすめは、「自分はこれから、どんな人と付き合っていきたいのか」を、いちど具体的に言葉にしてみることです。役職や肩書きではなく、人としてどうあってほしいのか。誠実さ、努力の姿勢、考え方の深さ、そして周りに与えようとする姿勢——自分が大切にしたいものを、自分の言葉で書き出してみる。それだけで、アンテナは動き始めます。

付き合う人を変えることは、事業の方向にも、そして収入にも静かにつながっていきます。そのあたりは収入は周りの平均になる|付き合う人を変えると起きることに、また「意識だけで付き合う人が変わった」体験の詳しい経緯は行動を変えず「意識」だけで付き合う人が変わった話にまとめています。あわせて読んでみてください。

まとめ:ギバーとつながるのは、アンテナを変えることから

最後に、記事全体の要点を整理します。ギバー(与える人)とテイカー(奪う人)は、日常の小さなふるまいの中に表れます。テイカーを見分けるとは、相手を裁くことではなく、自分の関わり方を調整すること。そして、ギバーとつながるために本当に必要なのは、相手を厳しく選別することではなく、「どんな人と付き合いたいか」という自分のアンテナを育てることでした。役職や年商ではなく、人としての「位」で相手を見る。その意識を持つだけで、目に映る人は静かに変わっていきます。

私自身、行動は何ひとつ変えていないのに、意識をチェンジしただけで、付き合う人の層が変わっていきました。人間関係は、力ずくで組み替えるものではなく、意識から自然に変わっていくもの。もし今、周りの人付き合いに少し息苦しさを感じているなら、まずは「どんな人と過ごしたいか」を、そっと言葉にしてみてください。そのアンテナが、これからのあなたに巡ってくる出会いを、確かに変えていきます。

「誰とつながるか」を一緒に考えます

どんな人と付き合うかは、事業の方向にも収入にも静かに効いてきます。ノルツの起業支援では、あなたが今どんな環境にいて、これから誰とつながっていくべきかも含めて、状況に合わせて一緒に考え、伴走します。一人で抱え込む前に、まずは気軽にご相談ください。

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