収入は「付き合う人の平均」になる

行動は変えず、変えたのは「意識」だけだった

この記事は、ノルツ株式会社代表・原本が、ギバー・テイカーを強く意識していた時期に実際に試したことをもとに書いています。「付き合う人を変えたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」という創業期の方へ、自分の体験から見えたことをお伝えします。

この記事の要点

「収入は付き合う人の平均になる」という通説を逆手に取るなら、付き合う人の層を変えることが有効です。ただし必要なのは、行動を大きく変えることではなく、「人として素晴らしい人と付き合いたい」という意識=アンテナを先に変えること。代表・原本は行動を何も変えず意識だけを変え、実際に付き合う人の層が少しずつ変わっていきました。

「自分の収入は、周りにいる人たちの平均とだいたい同じになる」。起業して間もない頃、私はこの言葉をどこかで耳にして、妙に納得してしまいました。収入だけでなく、たぶん幸福度も同じように周囲の平均に引っ張られるのだろう、と。だとすれば、自分が誰と付き合うかは、思っている以上に自分の人生そのものを左右しているのではないか——そう考えたのが、この話の出発点です。これは経営の理屈というより、ギバー・テイカーという考え方を強く意識していた当時の私が、実際に自分で試してみた小さな実験の記録です。

交流会で名刺を交換し笑顔で会話する日本人のビジネスパーソンたち

「収入は周りの人の平均になる」という通説は本当か?

この通説には、出典も正確な数字もありません。私自身、データとして語れるものを持っているわけではないので、ここで断っておきます。盛るつもりはありません。それでも、体感としては「確かにそうかもしれない」と思える実感がありました。愚痴ばかりの場所にいれば自分も愚痴っぽくなり、前向きに挑戦している人たちの中にいれば自分も自然と前を向く。お金の話に限らず、人は周りの空気にかなり影響されます。

当時の私が引っかかったのは、「では、付き合う人を変えれば自分も変わるのか」という問いでした。収入が周りの平均になるのなら、付き合う人の層が上がれば、自分の収入や考え方も少しずつ引き上げられるはずです。逆に言えば、今いる環境のまま頑張るだけでは、平均からそう大きくは外れていけない。そう考えると、「誰と付き合うか」は、努力の方向としてかなり重要なテーマに見えてきたのです。

どんな人と付き合うべきか?役職や年商ではなく「人として位の高い人」

そこで私は、「これからどんな人と付き合っていきたいか」を一度ちゃんと考えてみることにしました。ここで大事なのは、「位の高い人」という言葉の中身です。私が意識したのは、役職の高さや年商の大きさではありませんでした。そうではなく、人として素晴らしいと思える人。考え方が頭が良くて、地に足をつけてしっかり努めていて、結果としてきちんと稼いでいる——そういう人と付き合いたい、と決めたのです。

肩書きや売上だけで人を選ぶと、どうしても「自分にとって得かどうか」というテイカー的な発想に寄ってしまいます。けれど、人としての筋の良さで選ぶと、自然と尊敬できる相手に目が向きます。誰と付き合うかを意識的に選ぶというのは、相手を値踏みすることではなく、「自分がどういう人を素晴らしいと思うのか」という自分の基準を先に決めることなのだ、と今は思います。

行動は変えていない。変えたのは「意識」だけ

ここが、この体験でいちばんお伝えしたいところです。私は「位の高い人と付き合う」と決めましたが、では「そうでない人とは付き合わない」と線を引いたのかというと、まったくそうではありません。誰かと縁を切ったわけでも、新しい交流会に通い始めたわけでもない。具体的な行動は、何ひとつ変えていないのです。

当時、私がやったこと・やらなかったこと

やったこと:「人として素晴らしいと思える人と付き合いたい」と心の中で決めただけ。
やらなかったこと:付き合う相手を切る/新しい場所に無理に通う/行動を大きく変える——これらは一切していない。

正直に言えば、「意識を変えただけで本当に何か変わるのか」と、自分でも半信半疑でした。けれど結果として、私の周りで付き合う人の層は、少しずつ確かに変わっていったのです。

握手を交わし信頼関係を結ぶ二人の日本人ビジネスパーソン

なぜ意識を変えるだけで、付き合う人が変わるのか?

行動を変えていないのに人間関係が変わる。これは不思議なようでいて、振り返ると理由は単純でした。意識を変えたことで、自分の「アンテナ」が無自覚のうちに変わっていたのです。同じ場にいても、何に目が留まり、誰の言葉が心に残るかは、その人が何を大事だと思っているかで変わります。「人として素晴らしい人と付き合いたい」と決めた瞬間から、私は知らず知らずのうちに、そういう人を見つけるアンテナを立てていたのだと思います。

たとえば同じ集まりに参加しても、以前なら聞き流していた誠実な発言が妙に印象に残る。逆に、自分の話ばかりする人には自然と距離ができる。こちらが意識的に振る舞いを変えたわけではないのに、惹かれる相手と、そっと離れる相手が変わっていく。意識というのは、行動の前にある「何を拾うかのフィルター」を書き換える働きがあるのだと、身をもって感じました。

ギバーと付き合うには、まず何をすればいいのか?

当時の私が強く意識していたのが、ギバー(与える人)とテイカー(奪う人)という分け方でした。良い人間関係を作りたいなら、ギバーと付き合うのがいい——これは多くの人が頭では分かっています。けれど、「では明日からギバーと付き合おう」と思っても、どこにギバーがいるのか、どう近づけばいいのかは分かりません。だから行動に移せない。

私の体験が示しているのは、その順番が逆かもしれない、ということです。先に行動でギバーを探しに行くのではなく、まず「自分はギバーと付き合いたい」という意識を固める。すると、目の前の人がギバーかどうかに自然と目が向くようになり、結果として付き合う相手が変わっていく。アンテナを変えることが先で、人脈が変わるのは後からついてくる——少なくとも私の場合はそうでした。

「収入は平均に引っ張られる」を、どう逆手に取るか?

最初の通説に戻ります。「収入は周りの人の平均になる」。これは、見方を変えれば希望でもあります。周りに引っ張られるのが避けられないなら、引っ張ってくれる人の近くに、意識的に身を置けばいい。しかもそのために、いきなり大きな行動を起こす必要はありませんでした。私がやったのは、付き合いたい人の基準を心の中で決めただけです。

誤解のないように繰り返しますが、これは「こうすれば必ず収入が上がる」という話ではありません。数字で証明できることでもありません。ただ、人間関係に行き詰まりを感じている人ほど、行動を変える前に「自分は本当はどんな人と付き合いたいのか」を一度言葉にしてみる価値はあると思います。意識という土台が変われば、その上に乗る行動も、出会う人も、少しずつ変わっていくからです。

「誰と付き合うか」も、伴走で一緒に整理します

創業期は、付き合う人の層がそのまま事業の選択肢を左右します。ノルツの起業支援では、どんな人とつながり、どんな環境に身を置くべきかも含めて、一人で抱え込みがちな経営の悩みに伴走します。まずは気軽にご相談ください。

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