この記事の要点
日本の会社の大半は中小企業で、社長の実態は一人社長が非常に多く、さらに数が多いのがフリーランスです。この「下に行くほど数が多い」現実はターゲット設計に直結します。一人社長・フリーランスを狙うなら、交流会など会える場所で関係構築に集中する。資金力のある中堅以上を狙うなら、「紹介者を探す」「登壇・発信で見つけてもらう」設計が現実的。まず自分のターゲットがどこにいるかを決めることが出発点です。
起業してから、私はとにかく数多くの交流会に参加しました。そこで何度も実感したことがあります。会場に来ている「社長」は、その多くが一人社長だということです。最初は「たまたまこの会がそうなのかな」と思っていました。けれど、いくつもの会に出るうちに確信に変わりました。これは特定の交流会の話ではなく、世の中全体の縮図なのだと。統計上も、一人社長の会社は本当に多いのです(2026年7月時点)。この記事では、その現実を起点に、自分の商売をどう設計し直すかという話をします。
なぜ「社長」と聞いて思い浮かべる像は、現実とずれているのか?
「社長」と聞くと、多くの人は何十人、何百人もの社員を抱える経営者をイメージしがちです。テレビや雑誌に出てくるのもそういう人たちだからです。けれど、実際に交流会で名刺交換を重ねていくと、その像はあっさり覆ります。目の前にいる社長の大半は、自分ひとり、あるいはごく少人数で会社を回している人たちでした。
規模で並べてみると分かりやすいです。大手・中堅・中規模・小規模という順に下りていくほど、会社の「数」は増えていきます。大手と呼ばれる企業は、数としてはごくわずか。世の中の大半を占めているのは中小企業であり、規模が小さくなるほど社数は増えます。そして一人社長より、さらに数が多いのがフリーランスです。つまり「社長」というカテゴリの実態は、ピラミッドの下のほうに圧倒的に偏っているのです。
数の感覚をつかむ
大手は数が非常に少なく、規模が小さくなるほど社数は増える。世の中の大半は中小企業で、一人社長は非常に多い。さらに多いのがフリーランス——この「下に行くほど数が多い」構造を押さえておくと、ターゲット設計の解像度が上がります。
なぜ「一人社長が大半」という現実を知ることが大事なのか?
一人社長やフリーランスが圧倒的に多いという事実は、ただの豆知識ではありません。自分が誰に向けて商売をするのか——ターゲット設計に直結する話です。私自身は、起業した一人社長やこれから創業する人を主なターゲットに据えていました。この層を狙うなら、戦い方はとてもシンプルになります。なぜなら「そこら辺にいる」からです。交流会に行けば会えるし、身近にいくらでもいる。わざわざ遠くを探しにいく必要がありません。会える場所が明確なら、あとは関係をどう深めるかに集中できます。
逆に言えば、ここを取り違えると苦労します。「一人社長がこんなに多いなら、もっとお金を持っている大きな企業を相手にしたほうが儲かるのでは」と考える人もいるでしょう。それ自体は間違いではありません。ただし、ターゲットが変われば、アプローチの仕方も丸ごと変える必要があるのです。
交流会で、像が更新されていった
最初の数回は、私も「社長=それなりの規模の会社を率いる人」という思い込みのまま会場に立っていました。けれど名刺交換を重ねるうちに、その前提がどんどん崩れていきます。話してみれば、ほとんどが自分ひとりで会社を切り盛りしている人か、フリーランスとして活動している人でした。最初は偶然だと思っていたものが、会を変え、場所を変えても同じ。やがて「これはこの会の特徴ではなく、世の中そのものの縮図なのだ」と腹落ちしました。統計の上でも、一人社長の会社は本当に多いのです。
この“腹落ち”が、私のビジネスの考え方を変えました。漠然と「いろんな社長に会おう」とするのではなく、「自分はこの層を相手にするのか、それとも別の層なのか」をまず決める。そこから逆算してどの場に行くべきかを選ぶ——という順番に切り替わったのです。
ターゲットによって、アプローチはどう変えるべきか?
私が大事にしているのは、「誰を狙うか」で「どう近づくか」を変える、という発想です。同じ営業でも、相手の属性が変われば有効な手段はまったく異なります。
一人社長・フリーランスを狙う場合
この層は身近にたくさんいます。交流会やコミュニティに顔を出せば、自然と出会えます。だからこそ、無理に網を広げるより、出会った一人ひとりとどう信頼関係を築くかに力を注ぐほうが効果的です。会える場所がはっきりしているぶん、関係の「深さ」で差がつきます。
ある程度お金を持つ企業・中堅以上を狙う場合
一方で、資金力のある企業や中堅以上を狙う場合は、まず「そういう人がどこにいるか」を考えるところから始めなければなりません。彼らは交流会にふらりと現れるとは限らないからです。ここでアプローチ設計を間違えると、いくら動いても空振りに終わります。
「数が多い層」と「お金を持つ層」は両立しにくい
ここで一つ、現実的な話をしておきます。数が多くて会いやすい層(一人社長・フリーランス)と、資金力のある層(中堅以上)は、同じやり方では同時に狙えません。前者は「広く出会って関係を深める」、後者は「いる場所を特定して紹介や発信で届ける」。動き方がまるで違うからです。創業期にリソースが限られているなら、まずはどちらかに軸足を置いたほうが、成果は出やすいと感じています。欲張って両方を中途半端に追うのが、いちばん消耗します。
資金力のある上位ターゲットには、どうアプローチすればいいのか?——「紹介」と「見つけてもらう」設計
では、資金力のある企業にどう近づくか。現実的にいちばん効くのは「紹介」です。私の実感でも、結局のところ、こうした相手とは紹介でつながっていくのが現実的でした。だからこそ考えるべきは、いきなり相手に売り込むことではなく、「自分を紹介してくれる人を、どう見つけるか」です。アプローチの矢印を、相手ではなく紹介者に向け直すわけです。
もう一つ有効なのが、相手から「見つけてもらう」導線をつくることです。属性でフィルタリングして上位ターゲットに届けたいなら、セミナーや登壇、ピッチの場で発信し続ける。自分から押しかけるのではなく、相手のほうから「この人に頼みたい」と見つけてもらう。むしろこのやり方のほうが、上位ターゲットには相性がいいと感じています。プッシュ型の営業が苦手な人にとっても、現実的な選択肢になるはずです。
誰を狙うかで、戦い方は変わる
一人社長・フリーランスなら「会える場所」が明確なので関係構築に集中。中堅以上を狙うなら「紹介者を探す」「登壇・発信で見つけてもらう」設計が現実的。ターゲットを決めずにアプローチだけ磨いても、空回りしやすい。
まずは「自分のターゲットはどこにいるか」から
一人社長が多いという現実は、裏を返せば「会いやすい層が大量にいる」というチャンスでもあります。大事なのは、自分の商品やサービスが本当に届くべき相手は誰で、その人たちはどこにいるのかを、最初に決めることです。そこさえ定まれば、交流会に行くべきか、紹介を増やすべきか、登壇で発信すべきか——打ち手は自然と決まってきます。
なお、交流会に通い続ける中で私が感じた「孤独」と「仲間」の話は、一人起業の孤独を抜けた方法|「客」ではなく「仲間」ができたときに書いています。人とのつながりという観点で、あわせて読むと立体的になるはずです。
ターゲット設計を一緒に整理します
「自分は誰を相手に商売すべきか」「どこで出会えるのか」は、一人で考えると堂々巡りになりがちです。ノルツの起業支援では、ターゲットの見極めからアプローチ導線まで、実体験をふまえて伴走します。気軽にご相談ください。
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