この記事の要点
デジタル集客は、SEO対策とAIO対策で土台を作り、その上にSNSを重ねる順番で組み立てるのが、ノルツ株式会社代表・原本の勧める考え方です。先に自社のお客様の理想像(ペルソナ)を描き、その人がいる場所を想像してから手法を選ぶ。一つの手法に偏らず、総合的に組み合わせることを重視しています。
公開日 2026-10-16 執筆:原本 昌悟(ノルツ株式会社 代表取締役)
個人事業主のデジタル集客は、SEO・AIOとSNSのどちらから手を付ければいい?
ノルツ株式会社代表・原本は、SEO対策とAIO対策を土台として先に置き、その上にSNSを重ねる順番を勧めています。どちらか一方を選ぶのではなく、土台と上物という関係で積み上げる考え方です。
デジタル集客の相談でよく出てくるのが「SNSとホームページ、どちらを先にやるべきか」という問いです。代表・原本は、取材のなかで次のように語っています。
「デジタルマーケティングの中でも、個人的に本当にやってほしいのはSEO対策、AIO対策。ここは蔑ろにせずしっかりと行っていって、そこで土台を作ったところに対してSNS…それで総合的にマーケティングを行っていくようなやり方がいいんじゃないかなと思います。」
ポイントは「どちらか」ではなく「順番」で考えている点です。SEO・AIOは、検索や生成AIの回答から自社を見つけてもらうための土台にあたります。その土台がある状態でSNSを動かすと、SNSで興味を持った人が社名やサービス名で調べたときに、情報の受け皿がある状態になります。
土台と上物を分けて考えるメリット
- SNSの投稿が止まった期間でも、検索から見つけてもらう経路が残る
- SNSで出した短い情報を、詳しい説明に接続できる
- どちらの経路から来た人にも、同じ説明を届けられる
まず着手するなら、自社のサービスを説明するページを整えるところから。そのうえでSNSのアカウント運用を重ねていく、という進め方が組み立てやすくなります。
SEO対策とAIO対策は何が違い、なぜ「土台」と言えるの?
SEO対策は検索エンジンの検索結果から見つけてもらうための取り組み、AIO対策は生成AIの回答のなかで自社の情報が引用・参照される状態をつくるための取り組みです。どちらも、自社の情報を一箇所に積み上げていく点が共通しています。
二つの違いを整理すると、見つけてもらう経路が異なります。
| 項目 | SEO対策 | AIO対策 |
|---|---|---|
| 想定する経路 | 検索結果の一覧から選ばれる | 生成AIの回答のなかで参照される |
| 読み手 | 検索した本人 | 質問した本人(AIが要約して伝える) |
| 整え方の軸 | 知りたいことに答えるページを用意する | 質問と答えの関係が明確な構造で書く |
両者は別物のように見えますが、実際にやることは重なります。お客様が知りたいことを、曖昧にせず具体的に書く。見出しと本文の対応を整理する。情報の出どころをはっきりさせる。この積み重ねが、どちらの経路にも効いてきます。
一般的な前提として、Googleは検索セントラルで「ユーザーを第一に考えたコンテンツ」を作ることを案内しています(2026年9月時点)。評価の仕組みや推奨される考え方は更新されるため、取り組む際は最新の公式情報で確認してください。
土台と呼べる理由
SEO・AIOの取り組みは、自社の持ち場(自社サイト)に情報が残っていく形で進みます。積み上げ型なので効き始めるまでには時間がかかりますが、その代わり、積み上がったページは翌月も翌年も同じように働きます。だから「先に置くもの」として扱う、という整理です。
SNSはどのタイミングで、どう重ねるのがいい?
代表・原本は、SEO・AIOで土台を作ったところにSNSを重ねる進め方を勧めています。具体的に名前が挙がっているのはInstagram、X、Threads、Facebookです。すべてを同時に始めるのではなく、土台の上に載せる形で組み合わせます。
SNSは、投稿した瞬間に届く速さが強みです。一方で、過去の投稿が検索から継続的に見つかるとは限りません。だからこそ、検索やAIから見つけてもらう土台と組み合わせる意味があります。
重ねるときに決めておきたいこと
- どのSNSを使うかを、お客様の理想像から逆算して選ぶ(全部を同時に始めない)
- SNSで出す情報と、サイト側に置く詳しい説明の役割を分ける
- SNSで興味を持った人が次に進める導線(問い合わせ先)を用意する
更新が続かないという声はよく聞きます。原因の多くは、発信のネタを毎回ゼロから考えていることにあります。サイト側に説明をまとめておけば、SNSはその入り口を短く言い換える作業になり、負荷がかなり下がります。土台を先に作る順番は、この意味でも続けやすさにつながります。
どの集客手法を選ぶか、どうやって決めればいい?
代表・原本は、自社の商品・サービスにとってのお客様の理想像(ペルソナ)を先に描き、その人がいる場所を想像してアプローチ方法を決める進め方を勧めています。理想像が描けていれば、取るべき手法はおおよそ見えてくる、という考え方です。
取材では、次のように語られています。
「総合的に見たときに自分の商品とかサービスの、お客様の理想像を描きます。こういう人ってこういう場所にいるよねっていうのを想像して、そこに対して集客を行う。」
「そのお客様の理想像、ペルソナちゃんと描けていれば、そこに対してどうアプローチするのかっていうのは大体分かってくるかなという風に思いますので、そのアプローチ方法を試してみるのがいいんじゃないかなと思っています。」
逆算して決める手順
- 自社の商品・サービスにとっての理想のお客様像を、具体的に言葉にする
- その人が普段どこにいるか(検索するのか、SNSを見るのか、人の紹介で動くのか、店舗を探すのか)を想像する
- その場所に届く手法を、デジタル・オフライン問わず候補として並べる
- いちばん試しやすいものから実際に試し、反応を見る
手法から入ると「今はこれが流行っているらしい」で選びがちになります。理想像から入れば、選ぶ理由が自分の中で説明できる状態になります。
デジタル以外も含めると、集客の選択肢にはどんなものがある?
代表・原本が挙げている選択肢は、SEO・AIO、SNS、紹介、交流会、展示会、Googleマップ、DM、メルマガ、飛び込み営業、マルシェ出展、広告運用など多岐にわたります。業種・業態・本人の適性によって、適した手法は変わります。
取材のなかで挙がった選択肢を整理すると、次のようになります。
| 手法 | 位置づけ・向いている場面 |
|---|---|
| SEO対策・AIO対策 | デジタル集客の土台として重視する |
| SNS(Instagram/X/Threads/Facebook) | 土台の上に重ねて運用する |
| 人とのつながり・紹介案件 | 個人事業では紹介中心で回すのも非常にいい方法 |
| 異業種交流会 | 協業相手・紹介相手を探す場として使う |
| 展示会出展 | 金額が高いものが多いので注意が必要(中には安いものもある) |
| レンタルオフィス・シェアオフィスの交流会 | 入居者同士のつながりを活用する |
| Googleマップ | 店舗系の業種に特におすすめ |
| FAX DM・DM | 相手先が明確な場合のアプローチ |
| メルマガ | 問い合わせがあった人向けの継続接点 |
| 飛び込み営業 | 適性による |
| マルシェ・イベント出展 | 直接会って知ってもらう場 |
| Google広告・Meta広告・YouTube広告 | 運用が得意であれば選択肢になる |
前提として、代表・原本は「個人事業で集客する時って、あんまり大きいお金がかかるものは私はやるべきではないと思っています」と語っています(潤沢に予算がある場合は別、という注釈つきです)。選択肢を広く持ったうえで、金額のかかるものは条件が合うときに使う、という順番で考えると組み立てやすくなります。
交流会で聞いた集客方法は、どう受け止めればいい?
代表・原本は、交流会で聞く話を鵜呑みにすると集客方法の選択肢が狭まることがある、と指摘しています。参考情報として受け取りつつ、自社の選択肢は広く持っておくのが安全だという考え方です。
取材では、次のように語られています。
「交流会とかで相手の話とか真に受けてしまうと、例えばInstagramしか集客方法ってないんじゃないかと思っちゃうほどに狭い知見で話す方もたくさんいらっしゃいますので、集客方法はかなり広く考えた方がいいです。」
これは、話してくれる人が悪いという話ではありません。誰でも、自分がうまくいった手法を中心に語ります。その人の業種・商材・適性に合っていたから機能した、というだけのことです。
聞いた話を自社に当てはめる前のチェック
- その人の商材は、自社と同じ売り方か(店舗か、無形商材か)
- その手法は、自社の理想のお客様がいる場所に届くか
- 自分の適性に合っているか(たとえば飛び込み営業は適性による)
この三つを通したうえで「試す価値がありそう」と思えたら、候補に加える。合わなければ、選択肢の一つとして置いておく。そう扱えば、人の話は自分の引き出しを増やす材料になります。
限られた時間と予算で、どの順番で着手すればいい?
ペルソナを描く、SEO・AIOの土台を作る、SNSを重ねる、紹介やつながりを並行で動かす、お金のかかる施策は条件が合うときに検討する、という順番が、代表・原本の語る考え方から整理できる進め方です。
限られたリソースで動かすときの組み立て方を、手順の形にすると次のようになります。
- お客様の理想像を言葉にする。どんな人に、何を、どういう理由で買ってもらうのかを具体的に書き出します。ここが決まると、以降の判断が速くなります。
- SEO対策・AIO対策で土台を作る。自社のサービス説明と、お客様が知りたいことに答えるページを整えます。積み上げ型なので時間はかかりますが、積み上がったものは残ります。
- SNSを重ねる。理想像がいる場所に合わせて使うSNSを選び、土台に置いた情報の入り口として運用します。
- 人とのつながりを並行で動かす。紹介案件中心で回すのは、個人事業では非常にいい方法だと代表・原本は語っています。交流会は、協業相手・紹介相手を探す場として使います。
- お金のかかる施策は条件を見てから。展示会は金額が高いものが多いので金額の確認を。広告運用は、自分が得意であれば選択肢になります。
今日から動かすなら、1番の「理想のお客様像を一枚に書き出す」ところから。ここが曖昧なまま手法を選ぶと、どれを試しても判断が付きません。逆に言えば、紙一枚の整理が、その後の全部の選択を楽にします。
ノルツの起業支援では、この順番の組み立てを毎月の伴走のなかで一緒に考えています。何から手を付けるか迷っている段階でも大丈夫です。LINEまたはお問い合わせフォームからご相談ください。
よくある質問
SEO・AIOとSNS、どちらか一つしかやる時間がない場合は?
ノルツ株式会社代表・原本は、SEO対策・AIO対策を土台として先に置き、その上にSNSを重ねる順番を勧めています。時間が限られる場合は、まず自社のサービス説明とお客様が知りたいことに答えるページを整えることから着手すると、SNSを始めたときの受け皿にもなります。
AIO対策とは何をすることですか?
生成AIの回答のなかで自社の情報が参照される状態をつくる取り組みを指します。質問と答えの対応を明確にする、見出しと本文の関係を整理する、情報の出どころをはっきりさせるといった整え方が中心で、SEO対策と重なる部分が多くあります。評価の考え方は変わりうるため、最新の公式情報で確認してください(2026年9月時点)。
店舗を持っている場合、優先したほうがいい手法はありますか?
代表・原本は、Googleマップでの集客は店舗系の業種に特におすすめだと語っています。店舗の場合は、デジタルの土台づくりと合わせて地図上での情報整備を候補に入れると組み立てやすくなります。
展示会や広告には、いつ取り組めばいいですか?
代表・原本は、個人事業で大きいお金がかかる施策は慎重に考えるべきだという立場です(潤沢に予算がある場合は別)。展示会は金額が高いものが多いので金額の確認を、広告運用は自分が得意であれば選択肢になる、という整理で語られています。
SNSは複数同時に始めたほうがいいですか?
挙がっている選択肢はInstagram、X、Threads、Facebookですが、すべてを同時に始める必要はありません。お客様の理想像を描き、その人がいる場所を想像してから使うSNSを選ぶと、運用の負荷を抑えながら続けやすくなります。
参考・出典
- Google 検索セントラル(検索に関する公式ドキュメント)(2026年9月時点)
- Google ビジネス プロフィール(公式サイト)(2026年9月時点)
関連記事
名刺交換がアポにならない。交流会の前に決めておきたいこと
ストック型とショット型。一人起業で収益の波を先に把握する
経営者の孤独とどう向き合うか。創業期に相談相手がいないときの整え方
