この記事の要点
交流会やSNSで聞いた集客の助言は、まず「その人の業種・業態・適性での話」として受け取るのが安全です。集客方法はSEO・AIOやSNSなどのデジタルから、紹介・交流会・展示会・Googleマップ・DM・イベント出展などのオフラインまで多岐にわたります。先に選択肢の全体像を持ち、自分の商品のお客様の理想像(ペルソナ)から逆算して手法を選べば、聞いた話に左右されずに決められます。
公開日 2026-10-22 執筆:原本 昌悟(ノルツ株式会社 代表取締役)
交流会で聞いた集客のアドバイスは、どこまで受け取ればいい?
「その人の業種・業態・適性で機能した話」として、参考情報の一つに置くのが扱いやすい受け取り方です。話し手の経験の範囲と自分の事業の条件は同じとは限りません。ノルツ株式会社代表・原本は、集客方法はかなり広く考えた方がいいと話しています。
「交流会とかで相手の話とか真に受けてしまうと、例えばInstagramしか集客方法ってないんじゃないかと思っちゃうほどに狭い知見で話す方もたくさんいらっしゃいますので、集客方法はかなり広く考えた方がいいです。」(ノルツ株式会社代表・原本)
人は自分がうまくいった方法を語ります。それ自体は悪いことではなく、むしろ具体的で役に立つ情報です。ただし語られるのは「その人の商品・その人のお客様・その人の得意なやり方」での結果なので、そのまま自分の事業に移植できるとは限りません。
聞いた助言を整理するときの3つの問い
- どんな業種・業態での話か:店舗型か無形商材か、単価や商圏が自分と近いか
- その人の適性・リソースはどうか:発信が得意な人の方法か、対面が得意な人の方法か
- 自分のお客様はその場所にいるか:その手法が届く相手と、自分が会いたい相手が重なるか
この3つに当てはめると、「良い方法だが今の自分の条件には合わない」という判断ができるようになります。否定でも鵜呑みでもなく、保留という選択肢を持てる状態が目標です。次にやることは、聞いた助言をメモして、この3つの問いを書き添えておくことです。
「Instagramしか集客方法がない」と感じてしまうのはなぜ?
身近で聞ける事例の母数が小さいことが主な原因です。創業初期は相談相手が限られるため、周囲にSNS中心の人が多いと、それが唯一の道に見えてきます。解決策は、判断する前に選択肢の一覧を自分で持っておくことです。
創業期は、情報源が「交流会で会った数人」「SNSで見かけた発信」に偏りやすい時期です。そのなかで同じ手法を何度も勧められると、他の方法を検討する前に結論が決まってしまうことがあります。これはよくある状況で、情報収集の順番を変えるだけで解消できます。
選択肢が狭まるときに起きていること
- 聞いた話が「集客方法の全体」だと感じてしまう
- 自分に向いていない手法を、向いていないまま続けてしまう
- 向いている手法(紹介、検索、地図、イベントなど)を検討しないまま終わる
対処はシンプルで、個別の助言を聞く前に、デジタル・オフライン両方の手法が並んだリストを手元に置くことです。リストがあると、聞いた話を「リストのどこの話か」として位置づけられるようになり、選択肢が減りません。
次にやることは、自分が今やっている手法と、やっていないが候補になりうる手法を、同じ紙の上に書き出すことです。
個人事業主が選べる集客方法にはどんなものがある?
デジタルではSEO・AIO対策、SNS、Googleマップ、各種広告、メルマガ。オフラインでは紹介、異業種交流会、展示会、レンタルオフィスやシェアオフィスの交流会、FAX DM・DM、マルシェやイベント出展、飛び込み営業などがあります。向き不向きは業種・業態・本人の適性で変わります。
取材のなかで挙げられた手法を、特徴と留意点で整理すると次のようになります。全部をやる必要はなく、自分の条件に合うものを選ぶための一覧です。
| 手法 | 向いている場面 | 留意点 |
|---|---|---|
| SEO対策・AIO対策 | デジタルマーケティングの土台づくり | 積み上げ型。蔑ろにせず継続して取り組む前提 |
| SNS(Instagram・X・Threads・Facebook) | 土台の上に重ねて接点を増やす | 単独に偏らせず、総合的な組み立ての一部として使う |
| 人との繋がり・紹介 | 個人事業で回していく主軸のひとつ | 関係づくりに時間がかかる |
| 異業種交流会 | 協業先・紹介してくれる相手を探す | 参加目的を決めてから行く |
| レンタルオフィス・シェアオフィスの交流会 | 同じ拠点の事業者とつながる | 拠点を使っている人向け |
| 展示会出展 | まとまった見込み客と対面で会う | 金額の高いものが多いので注意。中には安いものもある |
| Googleマップ(地図からの集客) | 店舗系の業種に特におすすめ | 店舗情報の整備が前提 |
| FAX DM・DM | 送り先リストがある相手への直接アプローチ | 送る相手の選定が成否を分ける |
| メルマガ | 問い合わせがあった人との関係維持 | 新規開拓よりも既接点者向け |
| 飛び込み営業 | 対面で話すのが得意な人 | 適性による |
| マルシェ・イベント出展 | 商品を手に取ってもらう場面 | 出展条件と客層の確認が必要 |
| Google広告・Meta広告・YouTube広告 | 運用が得意な場合の選択肢 | 費用が出ていく施策なので規模の設計が必要 |
次にやることは、この一覧から「自分の業種で成り立ちそうなもの」を3つに絞り、その3つだけを比べることです。
デジタル集客はどこから手をつけるのがいい?
代表・原本は、SEO対策とAIO対策を土台として位置づけ、その上にSNSを重ねる進め方を勧めています。土台とSNSを組み合わせ、総合的にマーケティングを行う考え方です。
「デジタルマーケティングの中でも、個人的に本当にやってほしいのはSEO対策、AIO対策。ここは蔑ろにせずしっかりと行っていって、そこで土台を作ったところに対してSNS…それで総合的にマーケティングを行っていくようなやり方がいいんじゃないかなと思います。」(ノルツ株式会社代表・原本)
SEO・AIOは積み上げ型です。すぐに反応が出るものではありませんが、積み上がった記事や情報は、SNSの投稿のように流れていきません。SNSは接点を広げる役割として、その土台の上に重ねると役割分担がはっきりします。
土台とSNSの役割の違い
- SEO・AIO:探している人が見つけに来る導線。時間をかけて積み上げる
- SNS:まだ知らない人に届く導線。発信のたびに接点が増える
積む順番の具体的な考え方は、SEOとAIOを土台に、その上にSNS。デジタル集客を積む順番でも整理しています。次にやることは、SNSの更新頻度を増やす前に、検索から見つけてもらうための土台が今どれだけあるかを確認することです。
展示会や広告など、お金をかける施策はどう判断する?
代表・原本は、個人事業の集客で大きなお金がかかるものはやるべきではないと考えています(潤沢に予算がある場合は別)。展示会は金額の高いものが多いため金額の確認が必要で、中には安いものもあります。広告は運用が得意であれば選択肢になります。
「個人事業で集客する時って、あんまり大きいお金がかかるものは私はやるべきではないと思っています。」(ノルツ株式会社代表・原本)
一方で、お金をかけない選択肢として挙げられているのが人との繋がりです。
「個人事業の場合だったら、人との繋がりで集客する、紹介案件中心で回していくっていうのも非常にいい方法だと思っています。」(ノルツ株式会社代表・原本)
費用がかかる施策を検討するときの見方
- 展示会:金額の高いものが多いので出展料をまず確認する。安いものもあるため、価格帯の幅を見てから判断する
- Google広告・Meta広告・YouTube広告:運用が得意であれば使う。得意でない段階では、土台づくりや紹介の方に時間を配分する
- 交流会・シェアオフィスの交流会:協業先や紹介してくれる相手を探す場として使う
次にやることは、検討中の有料施策の金額を一覧にして、同じ金額を紹介づくりや土台づくりに使った場合と並べて見ることです。
自分に合う集客方法はどうやって選べばいい?
自分の商品・サービスのお客様の理想像(ペルソナ)を描き、「こういう人はこういう場所にいる」と想像して、その場所に対してアプローチする順番です。ペルソナが描けていれば、どうアプローチするかは大体見えてくる、と代表・原本は話しています。
「総合的に見たときに自分の商品とかサービスの、お客様の理想像を描きます。こういう人ってこういう場所にいるよねっていうのを想像して、そこに対して集客を行う。」(ノルツ株式会社代表・原本)
「そのお客様の理想像、ペルソナちゃんと描けていれば、そこに対してどうアプローチするのかっていうのは大体分かってくるかなという風に思いますので、そのアプローチ方法を試してみるのがいいんじゃないかなと思っています。」(ノルツ株式会社代表・原本)
ペルソナから逆算する手順
- 自分の商品・サービスを買ってくれる理想のお客様を一人、具体的に書き出す
- その人が普段どこで情報を探し、どこに集まっているかを想像する(検索/SNS/地図/リアルの場/紹介)
- その場所に届く手法を、デジタル・オフライン両方の一覧から選ぶ
- 自分の業種・業態と適性に合うものを優先する(対面が得意/書くのが得意、など)
- 選んだアプローチ方法を実際に試し、反応を見て続けるか入れ替えるかを決める
この順番で考えると、交流会で聞いた話も「自分のペルソナがいる場所の話かどうか」で判定できます。適した手法は業種・業態・本人の適性によって異なるため、他人の正解をそのまま採用しなくてよくなります。
次にやることは、理想のお客様を一人分だけ紙に書き、その人がいる場所を3つ挙げることです。
よくある質問
交流会で聞いた集客方法を試すべきか迷います。判断の目安はありますか?
その話がどの業種・業態での結果か、話し手の適性に依存していないか、自分のお客様がその場所にいるかの3点で見ると整理できます。3つとも重なるなら試す価値があり、重ならないものは保留にしておけば選択肢は減りません。
SNSは一つに絞った方が効率的ではないですか?
ノルツ株式会社代表・原本は、SEO対策・AIO対策で土台を作り、その上にSNS(Instagram・X・Threads・Facebook)を重ねて総合的にマーケティングを行うやり方を勧めています。SNSを使うこと自体ではなく、一つの手法だけに偏らせないことが要点です。
店舗を構えている場合、優先度の高い手法は何ですか?
取材のなかでは、Googleマップでの集客が店舗系の業種に特におすすめだと語られています。あわせて、マルシェやイベント出展など、実際に商品を手に取ってもらえる場も選択肢になります。
展示会に出てみたいのですが、気をつけることはありますか?
展示会は金額の高いものが多いため、出展料をまず確認することが挙げられています。中には安いものもあるので、価格帯の幅を見てから判断するのが現実的です。個人事業では、大きなお金がかかる施策は慎重に検討する前提で考えます。
紹介中心の集客は、人脈が少なくても成り立ちますか?
個人事業では、人との繋がりで集客する紹介案件中心の回し方も非常にいい方法だと語られています。異業種交流会やレンタルオフィス・シェアオフィスの交流会を、協業先や紹介してくれる相手を探す場として使う進め方があります。
参考・出典
- Google ビジネス プロフィール(公式)(2026年9月時点)
- Google 広告(公式)(2026年9月時点)
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