外注先の品質を見極めずに発注して失敗した話

修正を依頼するより、自分でやり直した方が早かった

この記事は、ノルツ株式会社代表・原本が、ウェブ制作業務の一部を外注した際に、相手の制作品質を見極めないまま発注してしまい、結局ほとんどをやり直す羽目になった実体験をもとに書いています。なぜ見極めを飛ばすと「やり直し」に行き着くのか、発注前に品質をどう確認すればいいのか、そして外注先を「業者」ではなく「協業先」として選ぶという考え方まで、実際にあったことに沿ってお伝えします。

この記事の要点

外注先の制作品質を事前に見極めずに発注すると、成果物の質が期待に届かず、修正を重ねるより自分でやり直した方が早い——という最悪の事態に陥ります。私自身、ウェブ制作の一部を品質確認なしに外注し、結局ほとんどをやり直しました。防ぐ鍵は二つ。発注前に相手の過去実績を具体物で確認すること、そして「補助金の期限」など外的な締め切りに流されて目的が曖昧なまま発注しないことです。外注先は単なる作業の受け皿ではなく、掛け算で成果を出せる「協業先」として選ぶと失敗が減ります。

一人で事業をしていると、どうしても手が回らない作業が出てきます。そこで外注を使うわけですが、外注は「頼めば終わり」ではありません。私(ノルツ株式会社代表・原本)は、ウェブ制作で独立してから複数回、外注を経験してきました。その中で、相手の制作品質を見極めないまま発注してしまい、結局ほとんどをやり直す羽目になった失敗があります。この記事では、その体験に沿って、なぜ見極めを飛ばすと「やり直し」に行き着くのか、発注前に何を確認すべきか、そして良い外注先をどう選ぶかを、実際にあったことのままお話しします。

外注のやり直しで机に書類が山積みになり、一人で対応に追われる日本人経営者の写真

外注先の品質を見極めずに発注すると、何が起きるのか?

成果物の質が期待に届かず、「ほとんどをやり直す」ことになります。これは大げさな話ではなく、私が実際に経験した結末です。ウェブ制作業務の一部を外注に回したとき、相手の制作品質を事前に確認しないまま発注してしまいました。

「相手の製作の品質を見極めずに発注してしまった節がありまして、そうですね、そこに関しては結局ほとんどやり直す羽目になってしまいました」(ノルツ株式会社代表・原本)

外注の怖いところは、納品されるまで質が分からない点にあります。発注時点で「この人なら大丈夫だろう」と何となく判断してしまうと、上がってきた成果物が使えるレベルに達しておらず、そこで初めて問題に気づきます。しかもその時には、すでに時間もお金も投じたあとです。品質の見極めは「発注前」にしか有効に効かない——後からでは取り返しにくい、というのが体験から得た実感です。

なぜ「修正を依頼する」より「自分でやり直す」ほうが早くなってしまうのか?

成果物の質が一定ラインを下回ると、修正指示を出して直してもらう工数より、自分でゼロから作り直す工数の方が小さくなるからです。私の場合、上がってきた成果物がまさにその状態でした。

「正直、修正にかかる工数と自分でやり直した工数だったら、やり直した方が早いなと思ってしまう感じの内容だったというケースがあります」(ノルツ株式会社代表・原本)

なぜこうなるのか。修正依頼というのは、「どこがどう違うのか」を言葉にして伝え、相手がそれを理解し、直したものを再度チェックする——という往復が必要です。成果物の完成度が高ければこの往復は軽く済みますが、根本から質が足りない場合、指示すべき箇所が膨大になり、往復そのものが重くなります。ある一線を越えると、「説明して直してもらう」より「自分で作る」方が確実で速い、という逆転が起きます。外注したのに自分の手が空かない、むしろ増える。これが品質を見極めなかったときに支払う代償です。

観点品質を見極めて発注見極めずに発注(今回の失敗)
成果物の初期品質使えるレベルに届く使えるレベルに届かない
発注後の対応軽微な修正指示で済むほとんどやり直しになる
自分の工数減る(本来の目的)増える(修正説明+やり直し)
時間とお金目的どおり節約できる投じた分がほぼ無駄になる

外注の本来の目的は、自分の手を空けることです。ところが見極めを飛ばすと、その目的が丸ごと裏返り、手間もコストも増える方向に働きます。「安く早く頼めた」ことより、「使える成果物が手に入ったか」で判断しないと、外注は失敗します。

外注で失敗する根本原因は何か?——「目的が曖昧なまま発注する」こと

品質の見極め不足の一つ奥にある根本原因は、「明確な目的を持たないまま発注してしまう」ことです。目的が曖昧だと、そもそも何をもって良し悪しを判断するのかが定まらず、見極めの基準自体が持てません。私にはもう一つ、目的が曖昧になった典型的な失敗があります。補助金の期限に追われて外注したケースです。

補助金を先に申請していたため、その期限が迫るタイミングで「外注しなきゃ」と発注しました。成果物自体は良いものを作ってもらえたのですが、動機が「補助金の期限」だったことが、あとから引っかかりました。

「補助金、先に申請しちゃっていて、補助金の期限が来ちゃうんで、外注しなきゃって言って発注したケースがありますね。(中略)補助金の期限に追われて作ってしまったような節がちょっとありましたので、そこはちょっと反省はしていますね」(ノルツ株式会社代表・原本)

締め切りが先にあると、「今この作業が本当に必要か」「何を達成したいのか」を詰めないまま、とにかく発注へ進んでしまいます。私自身、あのときはもっと明確な目的を持って発注すべきだったと反省しています。外注の失敗は、相手の能力より前に、発注する側の「目的の解像度」で決まる部分が大きいのです。品質の見極めも、目的がはっきりしているからこそ「その目的を満たせる相手か」を測れる——順番として、目的が先、見極めが後になります。

外注で目的が曖昧になりやすい典型パターン

・補助金や助成金の期限に追われて「使い切るため」に発注する
・忙しくて手が回らず「とりあえず誰かに」と丸投げする
・相手が売り込んできたタイミングに乗って発注する
いずれも「何を達成したいか」より先に「発注する」が来ている。ここが失敗の入り口になる。

外注先を協業先として選び、握手で信頼関係を結ぶ二人の日本人ビジネスパーソンの写真

外注先の品質は、発注前にどう見極めればいいのか?

「過去の成果物を、自分が発注したい内容と同じ種類で具体的に確認する」ことが基本です。人柄や提案の上手さではなく、実際に作られた物を見る。私が同じ失敗を繰り返さないために意識している、発注前の確認手順は次のとおりです。

  1. 目的を先に一文で言語化する。「何を達成するために外注するのか」を発注前に自分の言葉で書き出す。ここが曖昧なままだと、良し悪しを測る物差しが持てません。締め切りが動機になっていないかも、この段階で点検します。
  2. 発注したい内容と同じ種類の実物を見せてもらう。ポートフォリオや過去実績を、できるだけ「今回頼みたいものに近い事例」で確認します。得意分野が少しズレているだけで品質は大きく変わるため、実物ベースで判断します。
  3. 小さく試してから本発注する。いきなり大きく任せず、一部だけ、あるいは小さな単位で試作してもらい、上がってきた質を見てから本発注する。ここで「やり直しになりそうか」の当たりがつきます。
  4. 修正のやり取りが軽く回るかを見る。試した段階で、こちらの意図がどれだけ伝わり、直しがどれだけ正確に反映されるかを確認します。往復が重いと感じたら、本発注後はさらに重くなると考えておきます。

この4つは特別なことではありませんが、締め切りに追われているとき、あるいは「早く手を離したい」と思っているときほど、飛ばしてしまいがちです。私が失敗したのも、まさにこの見極めを省いたからでした。急いでいるときこそ、小さく試す一手間が、結局いちばんの近道になります。

良い外注先を選ぶには、「業者」と「協業先」どちらの視点がいいのか?

「業者」ではなく「協業先」として選ぶ視点をおすすめします。単に安く作業を請け負ってくれる相手ではなく、組むことでお互いの仕事が掛け算になる相手を探す、という考え方です。私は失敗を経て、外注先の選び方をこう捉え直しました。

「外注先とね、シナジーを起こせるようなところを選んで。外注先というよりも協業先に近いようなイメージですかね」(ノルツ株式会社代表・原本)

「業者」として見ると、判断軸は価格と納期に寄りがちです。安くて早ければ良し、と。ところがこの見方だと、品質の見極めが後回しになり、まさに私がやった失敗に近づきます。一方「協業先」として見ると、相手の得意分野・仕事の質・価値観まで含めて相性を測るようになります。掛け算で成果を出せる相手なら、多少のやり取りのコストは、それ以上のリターンで返ってきます。単発の作業を切り出して投げるのではなく、一緒に成果を作るパートナーを選ぶ——この視点の切り替えが、外注の当たり外れを大きく左右します。

一人社長は、そもそも何を外注し、何を自分でやるべきか?

基本は「自分にできないこと」を外注し、必要なら「手が回らない部分」も範囲に含める、という線引きです。ただし発注は、本当に必要なものに絞ります。私はこの点を、失敗を経てこう整理しました。

本来の形は、自分ではできない専門領域を外注することだと考えています。とはいえ、自分でできるけれど手が回らない部分を外注するのも、否定はしません。実際には両方あり得ます。大事なのは、「補助金があるから」「予算が余っているから」といった外的な理由で発注量を決めないことです。あくまで本当に必要なものを見極め、必要なら補助金なども活用しながら外注する。この順番を守ると、目的の曖昧な発注が減ります。

一人で事業をしていると、抱え込みすぎても回らないし、任せすぎても品質が崩れます。だからこそ、「これは自分がやる」「これは協業先に託す」の線引きを、その都度目的から引き直すことが必要です。外注は手を離すための道具ですが、道具を使うほど、使い手側の判断——何を、誰に、何のために託すか——が問われます。

外注・協業の設計から、一緒に整理できます

外注の失敗は、多くの場合「相手の能力」より前に「発注する側の目的の曖昧さ」から始まります。ノルツの起業支援では、一人社長として実際に外注・協業を重ねてきた立場から、何を自分でやり何を託すか、どんな相手を協業先として選ぶかまで、事業の状況にあわせて一緒に整理します。まずは気軽にご相談ください。

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