契約の決め手はサービス内容と料金ではない

共感が動いた人だけが買う|ミッションを先に語る提案の順番

この記事は、ノルツ株式会社代表・原本が、自身の営業・商談の実体験から「なぜ契約につながるのか」を振り返り、契約の本当の決め手についてお伝えするものです。サービス内容にも価格にも自信があるのに契約が決まらない、と悩んでいる起業家・フリーランスの方に向けて、提案の「順番」を変えるという具体的な打ち手を紹介します。

この記事の要点

契約の決め手は、サービス内容と料金ではありません。ノルツ株式会社代表・原本の実体験では、決め手は「共感・感情が動くこと」でした。ミッション・ビジョンをストーリーとして先に語り、相手が共感してくれた状態ではじめてサービス内容と料金を提示する。この順番を守ると、相手は価格比較ではなく「このサービスをやりたい」という状態で契約に至ります。

「サービスの質は高い。価格も適正。それなのに契約が決まらない」——起業初期の営業で、多くの人がこの壁に当たります。原因をサービス内容や価格設定に求めて、機能を増やしたり値下げをしたりしても、状況はなかなか変わりません。この記事では、ノルツ株式会社代表・原本が自身の商談を振り返ってたどり着いた「契約の本当の決め手」と、それを踏まえた提案の組み立て方をお伝えします。結論を先に言えば、変えるべきはサービスでも価格でもなく、伝える順番です。

商談の場で自らの志と事業にかける思いを語る日本人ビジネスパーソン

契約の決め手は何か?サービス内容と料金ではないのか?

契約の決め手は、共感・感情が動くことです。代表・原本は自身の契約経験を振り返り、「やっぱり共感とかその感情が動く、そういったところが本当に重要なんじゃないかな」と語っています。サービス内容と料金は、契約の判断材料ではあっても、決め手ではないというのが実感です。

一般的には、顧客は「何をしてくれるか(サービス内容)」と「いくらか(料金)」を比較して契約を決める、と考えられがちです。しかし実際の商談では、条件面が同じでも決まる相手と決まらない相手がいます。その差を分けていたのが、提案の前段で相手の感情が動いていたかどうか、つまり事業への思いに共感してもらえていたかどうかでした。共感が生まれた商談では、相手は条件を吟味する前に「そのサービスをもうやりたいんです、買いたいんです」という状態になっていたと言います。

なぜ共感がないと価格比較になってしまうのか?

共感の前にサービス内容と料金を出すと、相手はそれを「条件」として他社と比べるしかなくなるからです。代表・原本は「逆にサービス内容と料金体系だけで決める方っていうのは、単純にコスパがいいねとか、それだけの話になってくる」と指摘します。条件だけで選ばれた契約は、コスパの土俵に乗った契約です。

コスパで選ばれることには、明確なリスクがあります。より安い競合が現れれば乗り換えられ、値上げをすれば離れられる。判断基準が価格である以上、関係は価格に左右され続けます。一人で事業をしている起業家・フリーランスにとって、価格競争は資本力のある相手には不利になりやすい戦いです。だからこそ、価格の土俵に乗る前に、価格以外の判断基準——事業への共感——を相手の中に作る必要があります。

共感を先に置く提案は、どういう順番で話すのか?

結論から言うと、「思い→ストーリー→目的→サービス内容・料金」の順番です。代表・原本が実際の商談で行っているのは、ミッション・ビジョンをストーリーにして先に話すことです。本人の言葉では「こういう思いがあって、こういう流れがあって、こういうことのためにこのサービス提供してるんです、というようなお話をさせていただいて」という進め方になります。

具体的には、次の順番で構成します。

  1. 思いを語る:なぜこの事業をやっているのか、どんな思いが出発点にあるのかを話す。
  2. 流れ(ストーリー)を語る:その思いに至った経緯・体験を、時系列のストーリーとして話す。
  3. 目的を語る:この事業を通じて何を成し遂げたいのか、どこへ向かっているのかを話す。
  4. サービス内容と料金を提示する:相手が共感してくれた状態になってから、はじめて条件を出す。

重要なのは、この順番を逆にしないことです。条件を先に出してから思いを語っても、相手はすでに「価格を評価するモード」に入っています。共感が先、条件が後。契約は「何を売るか」ではなく「どの順番で伝えるか」で変わる、というのがこの実体験の核心です。

「共感が先」と「条件が先」では、契約はどう違うのか?

同じサービス・同じ料金でも、伝える順番によって、相手の判断基準と契約後の関係が変わります。代表・原本の実感を整理すると、次のような違いになります。

共感が先の契約条件が先の契約
相手の状態「このサービスをやりたい、買いたい」と感情が動いている「コスパがいいね」と条件を評価している
判断基準事業への共感・思いへの賛同価格と内容の比較
競合との関係思いは他社と比較できないため、価格競争になりにくいより安い競合が出れば乗り換えの対象になる
契約後の関係思いが乗った相手として、長く続きやすい条件が崩れれば離れる、価格に左右される関係

この表の通り、共感が先にある契約は、価格以外の判断基準で結ばれています。だからこそ価格競争に巻き込まれにくく、契約後も「思いに共感してくれている相手」との関係として続いていきます。ミッション・ビジョンは理念の飾りではなく、契約の前段に置く実務のパーツである——これが、実際に商談を重ねる中で見えてきたことです。

共感が生まれた商談の締めくくりに笑顔で握手を交わす日本人ビジネスパーソン

ストーリーを語っても「乗らない人」がいたら失敗なのか?

いいえ、乗らない人が出ることは失敗ではありません。代表・原本の経験でも、思いをストーリーとして話すと「そこで乗る方、乗らない方、当然いらっしゃる」と言います。全員に刺さらないことは、この提案スタイルの欠陥ではなく、前提です。

むしろ、共感で相手が振り分けられること自体が、この順番の意図です。共感してくれる方・思いが乗っかる方にサービスを提供していきたいというスタンスで商談を組み立てると、実際に契約してくれるのはそういう相手になります。条件だけで選んだ顧客は条件で離れますが、思いで選んでくれた顧客は思いでつながり続けます。「乗らない人を無理に追わない」と決めることは、契約の数を減らすことではなく、続く契約だけを残すことだと捉えるのが適切です。

ノルツの起業支援について

ノルツの起業支援では、ミッション・ビジョンの言語化から、それを商談・提案でどう語るかの設計まで、代表・原本が自身の実体験をもとに伴走します。「思いはあるが、営業でどう伝えればいいかわからない」という段階でも大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。

共感してもらえるミッションがまだ無い場合は、どうすればいいのか?

まず、自分の過去を棚卸しして、事業の出発点にある思いを言葉にするところから始めます。共感を先に置く提案は、語れるミッション・ストーリーがあってはじめて成立するからです。「立派な理念」を作る必要はありません。なぜこの仕事を選んだのか、どんな経験が原点にあるのか、誰のどんな場面を変えたいのか——自分の経験に根ざした言葉であれば、飾らないものほどストーリーとして力を持ちます。

注意したいのは、借り物の言葉でミッションを作らないことです。ストーリーは経緯と感情が具体的であるほど共感を生みます。実際に体験していないことを盛って語れば、商談の質問に答えられず、かえって信頼を失います。ミッションの言語化の具体的な手順は、関連記事「一人起業のミッションの作り方」で詳しく解説しているので、まだ言葉になっていない方はそちらから取り組んでみてください。

まとめ:契約を変えるのは、サービスでも価格でもなく「順番」

契約の決め手は、サービス内容と料金ではなく、共感・感情が動くことです。ミッション・ビジョンをストーリーとして先に語り、相手が共感してくれた状態ではじめて条件を提示する。この順番を守ると、相手は「コスパがいいから」ではなく「このサービスをやりたいから」契約する状態になります。ストーリーに乗らない人が出るのは失敗ではなく、続く関係だけを残すための振り分けです。サービスの質にも価格にも自信があるのに契約が決まらないなら、変えるべきは商品ではなく伝える順番かもしれません。次の商談では、料金表を開く前に、まず自分の思いから話してみてください。

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